ライセンスドコンテンツは、成功するコンテンツマーケティング戦略の強力なツールです。
NewsCredをはじめとする多くのブランドが、コンテンツを直接、自社のコンテンツハブや配信チャネルで使用するために、既存のパブリッシャーのコンテンツをライセンシングしています。
しかし、ライセンスドコンテンツがSEOにどのような影響を与えるかについては、いまだ多くの混乱があるようです。マーケティング担当者の中には、コンテンツをライセンシングするとGoogleからペナルティを受けたり、検索結果ページ(SERP)にウェブサイトが埋もれたりするかもしれないと恐れている人もいます。
これらは事実ではありません。
ライセンスドコンテンツを正しく使用すると、SEOを傷つけるどころか向上させることができます。
この記事では、SEOを向上させるためにライセンスドコンテンツを使用する利点と、コンテンツを上位にランクインさせることができるベストプラクティスについて説明します。
まずは基本からお伝えしましょう。
ライセンスドコンテンツは、マーケティング担当者がパブリッシャーから合法的に配給してもらう第三者のコンテンツのことです。これにより、マーケティング担当者はコンテンツを変更することなく自社のハブに直接公開し、電子メール・ソーシャルチャネル・その他のチャネルで配信することができます。
たとえば、NewsCredのInsightsでは、Ad Age、Forbes、The Next Web、Business Insiderからライセンシングされた記事を公開しています。ライセンスドストーリーはオリジナル記事と見かけはなんら変わりありませんが、ページの下部にオリジナルソースを特記し、オリジナルソースへのリンクを貼った免責事項が掲載されています(例として、Chipotleのマーケティングに関する記事をご覧ください)。私たちは、自社のソーシャルメディアチャネルと電子メールニュースレターでライセンスドコンテンツを推進しています。
コンテンツマーケティング担当者の多くは、毎日オリジナルコンテンツを作成するための十分なリソースを持っていません。
最近のContent Marketing Instituteの調査によると、B2B企業の55%は、組織全体を担当する「小規模(または1人)」のコンテンツチームしか持っていません。つまり、多くの企業が、高品質で関連性の高いコンテンツを定期的に作成することに苦労しているのです。
これらの制約を考慮すると、ライセンスドコンテンツは貴重なリソースになる可能性があります。1日に何百もの記事にアクセスすることで、ブランドは公開頻度を保つことができます。また、編集や校閲が済んだ高品質のコンテンツを公開することができるのです。評判の良いパブリッシャーと自分のブランドを連携させることもできるでしょう。たとえば、コンテンツマーケティング担当者は、NewsCredを通じて、The New York Times、Fast Company、Glamour、Fodor’sといったトップタイトルを含む数千の出版物からコンテンツをライセンシングすることができます。
個人的な話をすると、ライセンスドコンテンツのおかげで大変助かっています。私はこのブログの編集者として、1週間に高品質なオリジナル記事を5本執筆または編集するだけの処理能力を備えていません。しかし、ライセンスド記事を2本公開すれば、深みのあるオリジナル記事を作成・編集するのは3本で済むのです。
インターネット黎明期の頃、人々は制度の抜け穴をうまく利用し、さまざまなドメインにコンテンツのコピーを置くことによってSERPの上位にランクインされるようにしました。
他のサイトからコンテンツを盗用する人もいました。さらに悪いことに、複数のバージョンのコンテンツがウェブ上に出回り、検索エンジンを混乱させてしまいました。検索エンジンは、これらが原因でオリジナルコンテンツがどこにあるのか、どのページを上位にランクづけすべきなのかを認識することができなかったのです。
Googleはこの状況を防ぐために、複製したコンテンツが掲載されているサイトにペナルティを課し始めました。このペナルティは現在でも続いています。
これが多くの混乱を起こしている理由です。
多くのマーケティング担当者は、Googleがライセンスドコンテンツと複製されたコンテンツを同一視し、それに従ってペナルティを課すのではないかと恐れているのです。
しかし、Googleはもっと賢いですよね? その通りです。
ライセンシングは非常に一般的なので、Googleはカノニカル(正規化)URLタグを作成しました。これにより、検索エンジンはどのサイトが最初に記事を公開したのか、どのサイトがそれをライセンシングしたのかを認識することができるようになりました。
カノニカルタグが付いたライセンスドコンテンツを公開することによって、「オリジナルの著者を特記できるだけでなく、複製されたコンテンツのペナルティを含め、潜在的なペナルティからサイトを保護することができます」とMarccx Mediaの創設者Michael Peggs氏は言います。Marccx Mediaは、SEOと検索エンジンマーケティングを専門とするデジタルマーケティング代理店です。
現在、コンテンツをライセンシングしているほうは、メタデータにカノニカルリンクが含まれていることを確認してください(開発チームに確認をお願いすれば大丈夫です)。NewsCredは、メタデータに自動的に追加することができるライセンスドコンテンツのカノニカルリンクをお客様に提供しています。
現在の検索エンジンはコンテンツの発信元を認識できるため、オリジナル記事の所有者に一番上位のランクを与える傾向があります。
しかし、ブランドのサイトで掲載されたライセンスド記事がオリジナルのパブリッシャーよりも上位にランクインする場合があります。私たちもそうしたケースに該当するでしょう。
SEOは多数のデータポイントに依存しているので、ライセンスドコンテンツはサイト全体のSEOを強化する上で重要な役割を果たします。
「Googleのアルゴリズムには何百もの要素があり、それらの要素の重要度は日々変わっています」とPeggs氏は言います。「しかしここ数年、コンテンツはSEOの重要なシグナルのひとつであり続けています。Googleによると、コンテンツは2番目に重要なSEOの要素。魅力的で面白く、教養のあるコンテンツは、ブランドの認知度を高め、ターゲットとするトラフィックとインフルエンサーの判断をバイヤージャーニーに沿って推進することができます。これらのインプットによって、検索ランキングで上位を狙うことができるのです」。
(コンテンツマーケティングの基本的なSEOベストプラクティスに従うことに加えて)ライセンスドコンテンツを使用して上位にランクインさせる方法は以下のとおりです。
あなた自身の意見を加える
SEO&デジタルマーケティングコンサルタントのMichael Cupp氏によると、検索エンジンがコンテンツをクロールすると、それぞれの作品にデジタルの指紋のようなものが与えられます。
ライセンスドコンテンツ契約では、通常マーケティング担当者がオリジナルの作品を変更することはできません。つまり、ライセンスされた記事を元の状態で公開している場合、指紋は同じままということです。
しかし、ライセンスドコンテンツ契約に違反することなく、指紋を変更することはできます。あなたがやるべきことはただひとつ。その主題に関するあなたの意見を示した紹介文を書くことです。
「1文または2文追加しても、記事に大きな違いは生まれません」とCupp氏は言います。「しかし、一番上に解説を加えて、良い点・悪い点・好きな点・嫌いな点・自分とは違う点を述べると、その主題に関する自分の意見を強化することができます。2つ、あるいは3つの段落を執筆すると、指紋を大幅に変更することができます。そしてこれは新しい作品になるため、上位にランクインすることができるのです」。
主要トピックのまわりに権威を確立する
Peggs氏が言及したように、コンテンツはGoogleがSEOを決定するために使用する2番目に重要な要素です(最も重要な要素はリンクですが、こちらについては後ほどお話しします)。人々の疑問に答える、高品質で有益で深みのある魅力的なコンテンツを一貫して提供することによって、あなたがその分野の信頼できる専門家であることが証明されます。そしてGoogleは、そんなあなたのコンテンツを上位にランクインさせるでしょう。
ライセンスドコンテンツを使ってこの目標を達成する方法は以下のとおりです。
定期的な公開頻度を確立する
検索エンジンは、1日1回、または1日10回にかかわらず、定期的にコンテンツを公開するサイトを評価する傾向があります。
「ライセンスドコンテンツを使ってより多くのコンテンツを公開できるならば、それに越したことはありません」とCupp氏は言います。
ライセンスドコンテンツは貴重なリソースとなる可能性がありますが、SEOの専門家は、ライセンスドコンテンツだけでウェブサイト全体を構成しないことを推奨しています。
「正確な閾値はわかりませんが、私のサイトにおけるライセンスドコンテンツの割合は約50%です」とCupp氏は言います。「それ以上増やすと、検索エンジンに問題が起きるかもしれません」。
あなたのサイトの50%以上がライセンスドコンテンツで構成されている場合、Cupp氏はページの10%にnoindexメタタグを追加するよう推奨しています。これらのページは検索結果に表示されませんが、全体のSEOには役立ちます。
専門家は期待してはいけないと言っていますが、不可能なことではありません。
コンテンツを配給している大手パブリッシャーは、幅広くビジネスを展開しています。多くのパブリッシャーが1日に数十もの記事を量産していますが、それぞれの記事を大規模に宣伝できていません。
「オリジナルのパブリッシャーが後回しにした作品を小規模のパブリッシャーがライセンシングした場合、そこにチャンスがあります」とCupp氏は言います。「あなたが十分な規模のブランドで、コンテンツを正しく宣伝すれば、上位にランクインさせることができるでしょう」。
私たちは、このブログでも、他の企業でも、ライセンスされた記事がオリジナルソースより上位にランクインするのをこの目で見てきました。
Rue La Laは、1日に複数の記事をRue Nowに公開するために、ライセンスドコンテンツを使用しているブランドです。ハブの記事はしばしば上位のSERPページに表示されています。下の例では、AFP Relaxnewsからライセンシングされた記事のおかげで、Rue Laは「Chanel fall makeup 2016(シャネル2016年秋メイク)」というキーワードで上位にランクインしました。
NewsCred Insightsでは、当社のオリジナルコンテンツがライセンスドコンテンツよりも優れた成果を出しています。しかし、上位パフォーマンスのライセンスされた記事の中には、オーガニックトラフィックが約80%も占める記事もあります。つまり、SEOが主なトラフィック源になっているのです。
コンテンツマーケティング担当者は、高品質のコンテンツを大量に制作・公開・宣伝するためにさまざまな方法を採用しなければならないと認識しています。ライセンスドコンテンツはすべてのニーズを解決するわけではありませんが、私たちの目標を達成するために活用できる強力なリソースになる可能性を秘めているのです。
ライセンスドコンテンツの詳細については、「ライセンスドコンテンツの究極ガイド」を参照してください。
Heather EngはNewsCredのエグゼクティブエディターです。
元記事「How Licensed Content Can Help SEO: All Your Questions, Answered」は2017年1月31日にInsights.newscred.comに掲載されました。
この記事はNewsCred BlogのHeather Engが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。
また、日本におけるNewsCredパブリッシャーネットワークに関してはNewsCred by amanaまでお問い合わせください。
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