私たちはコンテンツマーケティングについての戦略、オーディエンスの育成、配信、ROIに関するヒントやアドバイスを提供しています。制作したコンテンツやターゲットを誰にするのか、ということについては議論していますが、社内コミュニケーションという文脈で、そういった議論を行うことはほとんどありません。
大企業でも小規模な企業でも、社内コミュニケーションは重要事項です。とくに、グローバルなコンテンツマーケティング施策を継続的に実施している企業では、チーム間の内部コミュニケーションチャネルを作り上げることは重要です。そうすることにより、最新のコンテンツ制作プロセス、フレームワーク、方法論、ベストプラクティスといった情報を、全員が共有することができるようになります。
コンテンツマーケティングの技法を社内コミュニケーションにも適用するのは、ひとつの解決策になります。つまりメールニュース、コンテンツハブ、およびアプリは、内部コミュニケーションの課題を解決し、従業員とパートナーとが連携し続けるための大変優れた手法なのです。
大手エネルギー企業のSchneider Electricでヴァイスプレジデントを務めていたとき、従業員は150,000人以上、マーケティング担当者だけでも無数にいる状態だったことから、私のチームは内部コミュニケーションを最優先で行う必要がありました。
実際のところ、私たちの最初の課題は、各地域のマーケティングチームに、立ち上げたばかりのグローバルコンテンツマーケティング施策の内容を伝えて、理解してもらうことでした。なぜ伝統的なキャンペーンにもとづいたやり方を、オールウェイズ・オン型のコンテンツマーケティングに切り替えたのかを説明する必要がありました。加えて、新しいプロセス、フレームワーク、ツール、ゴールを共有しなくてはなりませんでした。
内部コミュニケーション担当部署や人事部の協力を得て、コンテンツチームは、隔週刊の社内向けコンテンツマーケティングメールニュース「The Content Strategist」を制作しました。なぜ従業員にメールニュースを送るのか? なぜ既存の内部サイトやコラボレーションツールを使用するだけではないのか? いくつか理由があります。
グローバルなコンテンツマーケティング施策についての理解を進めることが目的であったため、隔週刊のメールニュースを以下のセクションとトピックで制作しました。
最初の3項目については、繰り返し掲載しました。メールニュースでは必ず掲載すべきなのです。実際、毎回メールニュースで取り上げている形式や内容になじんでくると、読者はその内容をより良く覚えているという傾向が見られます。毎週新しい購読者が増えていたので、編集カレンダーとコンテンツロードマップがあることを継続的に伝えなければなりませんでした。同時に、メールニュースがマンネリ感を持たないように心がける必要もありました。
異なるチームや情報源からコンテンツを収集することが難しい場合であっても、決して締め切りに遅れることなく、安定したコミュニケーションの配信を実施し続けたことで、すべての地域に同じメッセージを伝えることができました。グローバルコンテンツマーケティング施策の大家であるYContentのAJ Huisman氏は、「時差を超えた、明確なコミュニケーション手法を確立し、相互理解を獲得すること。加えて、適切な内部コミュニケーションのプランあれば、それを早急に実現することができます」と述べています。
このメールニュースは数カ月後に成功を収めました。立ち上げ当初から読者は5倍に拡大し、開封率は平均80%となりました。半年後には読者が1,000人に達し、Schneider ElectricのCMOは、革新的かつ効率的な社内コミュニケーション手段としてメールニュースを紹介しました。
メールニュースは、パートナーとのコラボレーションにも効果的なツールです。かつて仕事を共にした大手グローバル保険会社に例があります。彼らは「世界各地にいるエージェントに対し、毎週どのようにして公表準備が整っている使用可能なコンテンツを知らせるか」という課題を解決しなくてはなりませんでした。
企業グループすべてを通して、各地のエージェントとつながるデジタルプラットフォームはありましたが、同社はコンテンツマーケティング施策を推進している各国向けに、複数のメールニュースを立ち上げることを決定しました(同社は、ヨーロッパ1国、アジア1国の2カ国で、地域別のマーケティング施策を開始しました。地域別施策を拡大する前にグローバル施策に舵を切ったのです)。中央チームはメールニュースのテンプレートとデザインを作成し、週刊で企業メッセージと制作記事を行いました。そして、各国には、各国のエージェントと、より親密な関係を確保できるよう、コンテンツをパーソナライズするというオプションを用意しました。
メールニュースは以下のトピックで構成しました。
エージェントは、クライアントと共有できる毎週アップデートされる新鮮なコンテンツを常に手にしているのです。
Eメールは内部コミュニケーションの唯一の手段ではありません。たとえばGEは、社内のコンテンツハブを使用して、特定の従業員、すなわち労働組合に属する従業員に対する、今後の労働契約の票決方法を教育しています。キャンペーンのコンテンツハブとアプリは、契約に関する包括的な情報源であることを目標とし、この従業員専用に設計されています。このサイトは65,000件以上のヒットがあり、ユーザーの約50%近くが再来訪者でした。
この内部コンテンツ施策は、従業員に価値を提供するためのGEの大きな施策の一部となっており、内部プラットフォームである「My GE」の開発により、人々は自分の話を分かち合うことができるようになりました。この施策は、非常に画期的かつ効果的だったことから、PR Weekの「2016年内部コミュニケーション・キャンペーン・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。
このような施策が、従業員や地域のパートナーに使用されるものだという認識から、重要ではない施策であるとか、評価に値しないと考えるべきではありません。社内に積極的な協力者を育てるうえで重要な役割を果たし、しばしばコンテンツマーケティングのゴール達成の一助となるのです。だからこそ、このような施策は、計画から構築まで、細心の注意が払われるべきものなのです。
Giuseppe Caltabianoは、デジタルマーケティング/コンテンツマーケティングに関するの講演家および執筆家です。彼のブログ「国境を越えたコンテンツマーケティング」では、グローバルコンテンツマーケティングに関する記事をご覧いただけます。
元記事「How to Use Content Marketing Tactics for Internal Communications」は2017年10月10日にInsights.newscred.comに掲載されたものです。
この記事はNewsCred BlogのGiuseppe Caltabianoが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願いいたします。
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