米国ワシントンD.C.に本社を構え、コンテンツスタジオとしてグローバルに事業を展開するIndustry Dive。本記事では、同社所属のコンテンツストラテジストが、コンテンツマーケティングにおけるChatGPTの革新的な活用法について紹介します。
目次：
ChatGPTが一般に公開されるとすぐに、コンテンツマーケターたちはそれを仕事でどう使えるかを模索し始めました。
これらのアイデアは玉石混交。studioIDのAI愛好家の１人である私の役目は、生成AIがコンテンツマーケターのワークフローにどのように適合（フィット）するか、またそもそも適合（フィット）しうるのかを見極めることでした。そしてChatGPT も、ほとんどのマーケティングツールと同様に、アウトプットを微調整するための事前作業がカギであることがわかりました。
ChatGPTは作業の細分化で生じる手間を省くことで文章をスムーズに構築することができますが、ChatGPTを利用して作り出したコンテンツが読者にとってユニークで正確かつ説得力を持って受け入れられるようになるには、やはりコンテンツマーケターとしてのあなたの責任に負うところが多いでしょう。
本稿では、期待した結果を得るための、そして読者に提供する情報が正確であることを保証するために、ChatGPTのプロンプトやアウトプットを調整するヒントを紹介しましょう。
ChatGPTの出力を編集する方法は主に２つあります。
１）ツールの中で、プロンプトを表示して調整する。
２）システムの外で直接、編集する。
この２つを行うことで、コンテンツがあなたの目標やターゲット市場により合致するようになります。
通常、ChatGPTは最初のトライで、あなたが求めている答えを部分的に正しく表示します。しかし大抵の場合、それは的はずれな部分も多く含んでいます。
明らかにおかしい場合は、ChatGPTに直接、指示をし直しましょう。例えば、ChatGPTにソーシャル投稿文の作成を依頼し、その投稿文に記事の全タイトルが含まれていた場合、「見出しはリンクプレビューと重複するため、見出しなしでキャプションを作成する」のように指示する必要があります。
では、実際にどのように見えるのでしょうか？この例では、まずChatGPTに記事のソーシャルキャプションを作成するように依頼しました。追加のパラメータは、記事の統計を使うことと、キャプション全体にユーモラスなトーンを与えることを指示しました。アウトプットは次のようなものでした。：
画像訳：
ユーモアあるキャプション：
「47%のマーケターは、ターゲットオーディエンスのリサーチがコンテンツマーケティングの成功につながると言っています。一方で、100%のマーケターが月曜日を乗り切るためにはコーヒーが必要だと言っています。☕️😏
#コンテンツマーケティング #マーケティングユーモア」
テイストを考慮することはできませんが、プロンプトのユーモアの部分はうまくいきました。しかし、ChatGPTが出した統計は気に入りません。これを修正するには、ChatGPTに直接指示し、他の統計でもっとユーモラスな選択肢を出すように依頼するしかありません。何が正しくて、何が間違っているかをChatGPTに伝えることで、ChatGPTは軌道修正し、あなたが求めているアウトプットを得ることができます。
下図では、想定しているオーディエンス（コンテンツマーケティング担当者）に基づいて、最も説得力のある統計を選択するようにChatGPTに依頼しています。ChatGPTに与えるコンテキストが多ければ多いほど、それに比例するようにアウトプットのクオリティも上がっていきます。
画像訳：
ソーシャルポスト用のユーモラスな選択肢は、トーンが適切でジョークもきいていたのですが、引用された統計が間違っていました。似たスタイルで異なる統計を使った他のパターンをいくつか見せてもらえますか？コンテンツマーケターのニーズに基づいて、最も説得力のあるものを選んでください。
了解しました。こちらが異なる統計に焦点を当てた、LinkedInのキャプションです：
- 「53%のコンテンツマーケティング管理者は、SEOが見込み客にリーチするための一番のチャネルになると答えています。残りの47%は、おそらくまだページがロードされるのを待っているのでしょう。#SEO #コンテンツマーケティング」
- 「63%のマーケターは、今年はもっとクリエイティブになりたいと思っています。残りの37%はチームミーティングで自分の右脳を見つけることができなかったのでしょう。#クリエイティビティ #コンテンツマーケティング」
- 「90%のマーケターは短編動画への投資を増やしています。対してあなたは、TikTokはダンスをただ楽しむだけと思っていたのではないですか？#ビデオマーケティング #コンテンツマーケティング」
このように、かなり改善が見られるようになりました！ ジョークも上達しているようです。
ただ、さらにやるべきことはあります。新たに提示された統計は、ChatGPTにキャプションを書くように指示した記事のテキストにすでに含まれていました。ChatGPTが新たに統計を作成したり、あなたがまだ確認していない情報を提供しているときは、正確性を期すために信頼できる外部ソースを使って再チェックする必要があるのです。
🦾 関連コンテンツ: ChatGPT vs. Content Marketers: Who Came Out on Top?
ソーシャルポストの ［挿入］オプションは正しいトーンでしたが、間違った ［引用/統計/その他］が使われていました。同じようなスタイルで、異なる ［引用/統計/その他］を使った選択肢をもう少し見せてもらえますか？
［ターゲットオーディエンス］のニーズに基づいて、最も説得力のあるものを選んでみてください。
ChatGPTの出力を調整するもう一つの有効な手段は、トーンまたは “テンパチャー（熱量）”のシフトを要求することです。Serial MarketerのDavid Berkowitzによると、テンパチャーとは、ChatGPTのようなツールによって使用される専門用語で、応答がどの程度、文字通りのものであるか、または創造的であるかを定義するものです。「異なるテンパチャー設定は、さまざまなマーケティング目的と要件に対応することができる 」とあり、それらの違いを次のように解説しています。
低いテンパチャーは、より焦点を絞った、保守的で一貫性のある反応をもたらします。これは、マーケティング担当者が事実に基づいた情報、正確な回答、特定のフォーマットやブランドガイドラインに忠実なメッセージを必要とする場合に有効です。
この範囲のテンパチャーは、創造性と一貫性のバランスをとります。この設定は、正確さと創意工夫がバランスよくブレンドされることが求められる一般的なコンテンツ作成に有効です。
高いテンパチャーは、より創造的で、多様で、予想外のアウトプットを生み出します。マーケティング担当者は、革新的なキャンペーンのアイデアを練ったり、魅力的なソーシャルメディアコンテンツを作ったり、あるトピックについて新鮮な視点を求めたりする時に、この設定を活用できるでしょう。
もちろん、「もっと格式高い感じにしてください」「もっと会話調に書き直してください 」など、トーン調整を依頼する際に従来の用語を使用することも可能です。
画像訳：
「studioIDによると、53％のコンテンツ責任者が2023年に見込み顧客に到達するための最も重要なチャネルがSEOになると信じています。戦略でSEOを優先することが成功のカギになるかもしれません。#コンテンツマーケティング #SEO」
そのソーシャルポスト案は情報は正確でしたが、トーンが適切ではありませんでした。テンパチャーを1.0に設定し直して、再度送ってください。
了解しました。こちらが調整された短いキャプションです：
「2023年、SEOが頂点を独占！ 💥 驚くべきことに、コンテンツ責任者の53％が、主要な配信チャネルとしてSEOの名を挙げています。あなたはそれらのSERPsを網羅し、さらに多くの見込み客に到達する準備ができていますか？ #コンテンツマーケティング #SEO」
再び、私たちはChatGPTに対して、最初の試みで何が正しくて何が間違っていたのかを伝えることから始めなければなりません。それを説明し、次にテンパチャーを上げるよう促すことで、ソーシャルポストにもっと創造的でエキサイティングなアウトプットを得ることができます。
結論： この数値システムは、従来のトーンの説明よりもAIにとって理解しやすいことがあります。
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トーンが大きくずれている場合：
ソーシャルポストの ［挿入］オプションは正しい情報を持っていましたが、トーンは間違っていました。テンパチャーを ［数値の熱量を挿入］に調整して送り返してください。
トーンはほぼ正しいが、わずかな差でずれている場合：
回答のテンパチャーを0.1上げる／下げる。［NB: テンパチャーを上げると、よりクリエイティブに/よりフォーマルでなくなります。テンパチャーを下げると、より文字通り/フォーマルになることを意図しています］
ChatGPTを使ったクリエイティブワークの最も重要なポイントは、どこかで共有や公開をする前にファクトチェックと編集を行うことです。
後者については、キャッチコピーの編集を伝統的な方法で行います。少なくとも２回はコピーに目を通し、文法、流れ、簡潔さを編集します。
その後、Grammarly*でチェックすることもできます。
*2023年現在英語版のみです。
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ファクトチェックのために、ChatGPTの回答に含まれる引用、統計、事実の記述にフラグを立てましょう。これらの記述で検索をかければ、信頼できるソースを見つけることができます。何も出てこない場合は、範囲を広げるためにより具体的でない表現や、より一般的なキーワードで検索してみてください。発言を確認できなかったり、ソースが見つからない場合は、コピー内の発言を削除して置き換えてください。
繰り返しになりますが、ChatGPTは主に既存のオリジナルコンテンツの派生アセットを作成するために使用することをおすすめします。
ChatGPTを使用する際、常に覚えておかなければならないことは、ChatGPTのアウトプットは、決してオリジナルではないということです。設計上、ジェネレーティブAIツールの出力は、すでにどこかで発表された文脈から抜き取った単語の集合体です。このため、AIツールによって生成されたすべての文章に盗用がないかチェックすることが不可欠です。
有料・無料の盗用検出ツールは数多くありますが、現時点ではGrammarlyのplagiarism detector toolをおすすめします。信頼性が高く、使いやすく、正確です。
GrammarlyのGrammarly plagiarism detector はテキストを入力するだけで、既存の公開テキストとの重複をスキャンしてくれます。これは、盗用に対する法的・道徳的な保護になるだけでなく、Googleや他の検索エンジンがあなたのコンテンツのSEOにも役立つということです。
元記事「Editing ChatGPT Outputs: 4 Essential Tips and Prompt Approaches」は2023年11月15日にspringboardに掲載されました。
この記事は、IndustryDiveのパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまでお願いいたします。
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