オウンドメディア時短術。「コンテンツ再利用」で、時間と手間をぐっと短縮!

To make it in a short time

優れたコンテンツを制作するには、多くの時間がかかるものです。最近の調査によると、ジャーナリストやコラムニストといったプロのブロガーは、1本のブログ記事に 4時間以上を費やしており、これは2014年の調査と比べると、制作に費した平均時間が74%も長くなっていることがわかりました。これはあくまでも1本の記事に限ったことで、ホワイトペーパーや動画といったコンテンツの制作時間は、さらに3倍の時間がかかると思われます。

AIは、こうした制作時間を大幅に短縮する使命を担っていますが、ブランドに対する真の信頼を築くような高品質のコンテンツを作成するには、依然として多くの思考と労力が必要となっています。

制作したコンテンツから最大限の効果を引き出し、ROI(投資利益率)を最大化するためには、コンテンツを再利用する技術をマスターする必要があります。

というのも、コンテンツの再利用で、次のことが可能になるからです。

・トピックをより深く掘り下げる。
・現在のコンテンツを拡張し、さまざまなオーディエンス向けにパーソナライズする 。
・全チャンネルの関連コンテンツを制作する。
・より多くの潜在顧客にリーチする。

これらすべてを少ないリソースで行うことができるようになります。

42%のマーケティング担当者が、既存コンテンツの更新(再利用方法の1つ)によって、コンテンツマーケティングの価値が高まったと回答しています。

– SEMRush

コンテンツを再利用するマーケティング担当者が増えるにつれて、再利用しないマーケティング担当者は、他のブランドとの競争がさらに難しくなるでしょう。Referral Rockが実施したマーケティング担当者を対象にした調査では、94%がコンテンツを再利用していると回答し、残りの6%は将来的に再利用することを考えていると答えています。

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コンテンツを再利用するための正しいアプローチ

コンテンツの再利用とは、ただホワイトペーパーの一部を切り出して、編集しないまま記事コンテンツに掲載することではありません。YouTube動画をTwitterに投稿することもできます。このように少ない作業でコンテンツの数を増やすことはできますが、深く検討されたアプローチがなければ、ポジティブな結果を得ることはできません。

再利用に対する考え方を身につけましょう

●再利用するコンテンツはすべて、投稿するチャネルにマッチするように調整しましょう。
例:Instagramに長編動画を投稿するのではなく、Instagramでユーザーが期待しているものに合わせたストーリーと通常のフィードの両方に最適化された短い動画を作成しましょう。

●大規模なコンテンツ構想の計画段階では、最終的なアウトプットをチャネル間でどのように再利用できるかについて、すべての可能性を念頭に置いておくことで、より効果的に資産となるコンテンツを作成することができます。
例:大規模なホワイトペーパーを作成する場合、そこには多くの優れたデータが含まれているため、役立つデータを図版化したものをあらかじめ盛り込んでおきましょう。
また、さまざまなプラットフォーム向けに最適化されたグラフィックスを使用できるため、ソーシャルでのオーガニック投稿や、メールでのグラフィックスなどで使用することができます。さらに図版などを使って動画を作成し、視覚的な参考資料としたり、それらを組み合わせてインフォグラフィックを作成することもできます。

●それぞれのコンテンツを、さまざまなオーディエンスに調整する方法を考えましょう。
例:AIの最新トレンドを詳しく説明するインフォグラフィックがある場合、核となるデザイン要素や全体的な構成はそのままにして、重要なコピー部分や統計情報を調整することで、ライターやデザイナー、プロジェクトマネージャー向けのものも作成できます。
コンテンツの再利用がうまくいけば、現在のやり方よりも多くのリーチを得ることができ、同程度の(またはより少ない)リソースで、より多くのコンテンツが作成可能になり、マーケティング活動のROI(投資利益率)を大幅にアップさせることができます。
しかし、すべてのコンテンツが再利用できるわけではないことを覚えておくことも重要です。再利用の土台として使うコンテンツの選択を間違えると、努力が水泡に帰し、リソースを無駄にしてしまう可能性があります。

再利用に適したコンテンツの選び方

ブランドの多くは、再利用するコンテンツのフォーマットに注意していますが、それは最善の戦略ではありません。コンテンツの再利用を成功させるには、最も寿命が長く、価値を提案できる適切なコンテンツを選択することがカギになります。

まず、「ビッグロック戦略」の実施を検討してください。あなたのブランドが専門とする領域の知見で、かつあなたがターゲットとするオーディエンスが大きな関心を持つトピックについて一貫したテーマの下、詳細かつ網羅的なコンテンツを作成するのです。

「ビッグロック戦略」において、ホワイトペーパーは大きな資産になることが多いものですが、電子書籍やランディングページ、ガイド、さらには詳細な動画も利用できます。

どのような種類のコンテンツも、適切なアプローチでうまく再利用できます。長いコンテンツは再利用しやすいことが多いものです。まずは現状のコンテンツを評価し、最近または過去に成果が高かったコンテンツを探してみましょう。そしてコンテンツの寿命を延ばすために、それを進化させ繰り返す方法を検討します。

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実際にできること

●成功した動画をもとに複数のブログ記事を作成し、動画の主要なセクションごとに1つずつ長文の記事を作成したり、またはその逆を行う。
メリット:ブログ記事内に動画のリンクを貼ることで、そのトラフィックを動画のトラフィックに誘導することができる。 

●トーンを調整し、SEOのために構造を最適化することで、ホワイトペーパーを一連のブログ記事にする。
メリット:ブログ記事内でホワイトペーパーのランディングページへのリンクをアピールし、ホワイトペーパーへのトラフィックを増やす。

●インフォグラフィックから個々のデータをビジュアル化して、ソーシャルメディアや会社のプレゼンテーション資料で使用したり、ブログ記事内の画像として使用する。

●パフォーマンスの高い、古いコンテンツを更新して、現在にふさわしいものにする。

メール用にコンテンツを再利用する方法

メールは、既存顧客や潜在顧客との信頼関係を築く直接的な手段で、顧客と価値を共有して問題の解決を支援します。有効なメール戦略は、商品をプッシュするだけではなく、オーディエンスの課題を直接解決する価値のある有益なコンテンツを提供することに重点を置いています。

しかし、毎回新しいトピックを考えるのでは、時間がかかり、結果的に送信するメールの数は減ってしまいます。そのハードルを越えるには、あなたの「ビッグロック」をガイドにしましょう。そのビッグロックが複数の章からなるガイドだとします。ガイドの各章で扱われるサブトピックを中心に、ナーチャリングの流れ全体を構築することができます。これにより、カスタマージャーニーのタッチポイント間で一貫したユーザーエクスペリエンスが生まれ、専門知識と顧客からの信頼が強化されます。

メールの再利用

例えば、ハイブリッドワークについて解説するホワイトペーパーを作成したとします。その中から最高のヒントを抜き出し、各メールに異なるヒントを記載したナーチャリングの流れを作成します。各メールは、ハイブリッドワークのエキスパートとしてブランドをさらに強固なものにします。もちろん、メール内にホワイトペーパーをダウンロードするためのCTA(行動喚起)を含めることもできます。

studioIDのインサイト

メールはすばやく読み取れる必要があるため、可能であればコンテンツを200ワード以内に短くまとめましょう。ひと目で理解できるように、箇条書きを使用して、文章を分割しましょう。元のコンテンツから文章を的確に編集し、人々がメールに期待している、よりパーソナルで読みやすいトーンに合わせましょう。

おまけのヒント:ホワイトペーパーからビジュアルを抜き出し、メールのヘッダーとして使うことで、視覚的な興味を持たせ、コピーをより親しみやすいものにします。

ソーシャルメディア用にコンテンツを再利用する方法

ソーシャルメディアはフォロワーだけでなく、フォロワーでない人にも情報を共有する手段を提供します。メールと同様に、商品をプッシュするのではなく、価値を提供する投稿を作成し、同時にトラフィックをコンテンツに誘導しましょう。「ビッグロック」のコンテンツから、小さなサイズの学習・引用・データの可視化などで注目を集めて、フォロワーが問題を解決できるようにし、さらにコンテンツを読み続けるようにしましょう。

ソーシャルメディアへの再利用

各ソーシャルメディアチャネルのフォーマットや目的は異なるため、使用するコンテンツの種類は違ってきます。XやLinkedInでは図解された統計や視覚化されたデータを、Facebookでは引用を、Instagramではショート動画や美しい画像を使うことができます。またTikTokでは、上記のすべてを巧みにブレンドすることができます。ソーシャルメディアへの投稿に使用する画像は、すでにコンテンツに含まれているものを探すと、さらに時間を節約できます。

studioIDのインサイト

ソーシャルメディアに投稿する際は、メールのトーンや口調と同様のアプローチをとりましょう。タイミングが合えば、遊び心のあるカジュアルな言葉遣いもいいと思います。ソーシャルメディアはクリエイティビティを発揮できる場。いろいろと試してみましょう。

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営業活動のためにコンテンツを再利用する方法

営業チームが最も成功するのは、潜在顧客とつながるために必要なツールと情報を持っているときです。マーケティングチームと営業チームの連携は、外部向けのコンテンツを営業ツールに再利用することから始まり、見込み客により多くの価値を提供し、営業担当者には全体的な視点を提供します。

営業担当者は業界に関する有益な情報を提供し、潜在顧客に課題を克服する方法を提供することで、成約率を向上させることができます。そして顧客は、業界の知識を示し、ニーズを理解している営業担当者を信頼する可能性が高くなります。

セールスアウトリーチのための再利用の実践

「ハウツー物」のブログ記事や説明動画を見て、営業チームのために再利用できる部分を見つけましょう。ケーススタディの山を渡すのではなく、コンセプトをより明確にし、ケーススタディをより効果的に要約できるように、蓄積されたナレッジから提案資料を作ることができます。また、現在の業界トレンドに関するブログ記事を見直し、営業担当者が顧客と現在の環境について話す際に使用するスクリプトをまとめましょう。

studioIDのインサイト

営業チームと連携し、見込み客の課題がどこにあるかを確認しましょう。営業チーム全体にインタビューを行い、セールスポイントの弱点について情報を収集し、そのギャップを埋められるところを確認します。営業チームとマーケティングチームの連携がうまくとれていれば、ROIの向上や営業目標の達成に大きな変化をもたらすことができます。

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コンテンツの再利用を始める

一度、再利用の考え方をマスターすれば、単一のソースからすべてのチャネルに入力する膨大なコンテンツを作成するため、コンテンツプログラムのROIが急上昇するでしょう。

どこから始めるべきか、いくつかのガイダンスを紹介します 

1.まず既存コンテンツのチェックし直して、再利用に適したトップパフォーマーや将来性の高いコンテンツを探す。
2.見つけた各コンテンツの寿命を延ばし、リーチを広げる方法をブレインストーミングする。
3.新しいビッグロックのアセットや、最初からすべてのチャネルのネタになるような構成を考えることから始める。
4.エディトリアルカレンダー全体に新しいコンテンツと再利用したコンテンツを混ぜ合わせ、最新トレンドとエバーグリーンなコンテンツの両方で視聴者を惹きつける。

ユーザーを中心にした慎重な戦略により、再利用コンテンツは、より少ないリソースで関連性が高く、高度にパーソナライズされたコンテンツを、頻繁に配信するのに役立ちます。

厳しい経済状況の中、コンテンツの再利用はこれまで以上に重要になっています。

この記事はSpringboardのJennifer Goforth Gregory が執筆し、DiveMarketplaceのパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまでお願いいたします。

元記事「How to Repurpose Content for Social, Email, Sales Outreach, and Beyond 」は2023年4月19日に studioIDに掲載されました。

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コンテンツマーケティングの本場であるアメリカで、業界を牽引するリーディングカンパニーであるIndustry Dive。国内唯一の独占パートナーであるアマナがその集合知を活用し、成果へと繋がるコンテンツマーケティングをサポートします。
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