今米国で最も信頼されるグローバルブランドにSONYやHONDAがランクイン

Male athlete sprinting, shot from above

目次:


毎年恒例のAxios社とHarris Poll社による共同調査は、Axios社のジャーナリスティックな視点とHarris Poll社の世論調査における専門知識が融合した、アメリカで最も信頼されるブランドを示す指標として定評があります。2024年は、選挙戦危機疲れ、あらゆる社会的・技術的課題が差し迫っており、この不確実な時代には「信頼」が何よりも重要です。

この調査では、アメリカの人々がどのブランドを高く評価しているのか、その理由を踏まえ、以下7つの主要項目に基づいてブランドを評価しています。

・倫理観
・信頼性
・社会的責任
・製品とサービスの質
・ビジョンとリーダーシップ
・成長性
・企業文化

この方法は大衆の感覚を正確に表すもので、世論調査は企業にとっても消費者にとっても重要な情報源となります。

高評価を得るためには有言実行しなければならないことは周知の事実です。

– Katie Sprehe、APCO Worldwide社 レピュテーション&ストラテジー部シニアディレクター

同調査は、信頼の構築と維持に優れたグローバルブランドにスポットライトを当て、他の企業が目指すべき新たな基準を示します。今、最も信頼されるブランドの中から5つの例を取り上げ、これらの企業がコンテンツマーケティングを活用してどのように消費者との信頼関係を構築し、維持しているのかを詳しく見てみましょう。

第1位 NVIDIA(エヌヴィディア)

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ブランド概要

強力なGPUで生成AIとゲーミングに革命を起こしたことで知られるNVIDIAは、人工知能とグラフィックス処理技術の草分け的存在です。同社は1993年以来、高度な技術により可能となる未来をすべて形作ることを使命としてきました。自動車ヘルスケアマーケティングなどさまざまな業界に影響を与え、世界で最も複雑な計算問題の解決に取り組んでいます。

コンテンツマーケティングへの取り組み

今回の調査で81.2というスコアを獲得し、信頼されるブランド第1位となったNVIDIAは、広範囲に事業を展開する企業として、教育コンテンツに根差したマーケティングを実施しています。NVIDIAブログGTC AIカンファレンス開発者プログラムなどの取り組みは、ゲーマー、開発者、業界の専門家に有益なインサイトや技術的なリソース、コラボレーションの機会を提供しています。情報量が多くエンゲージメントが高いコミュニティへ向けた情報発信は、SNSでの積極的な発信やインフルエンサーとのパートナーシップによって高評価を得ています。

NVIDIAはコンピューティングの未来を再形成しています。NVIDIAは学習する機械です。ミッションがボスであり、誰もが発言権を持っています

— Jensen Huang、NVIDIA社 創設者兼CEO

秀逸なキャンペーン事例:I AM AI(私はAI)

今年のGTCイベントでNVIDIAはAI、ヘルスケア、DXにおける最新のイノベーションを紹介し、基調講演の冒頭で、現在進行中の「I AM AI」キャンペーンに新たに追加した内容を発表しました。

このキャンペーンは、どのようにAIが医療における奇跡を起こし、宇宙や気象パターンに新たな視点を投げかけ、私たちの生活様式を変化させているかを紹介するもので、AIが影響を与える多くの分野だけでなく、その応用範囲の広さにも焦点を当てています。その後数ヶ月間にわたって公開されたフォローアップ動画は、小売業の改革ヘルスケアの新時代、そしてAIがそれらをどのように変革するかといったトピックを取り上げ、特定の業界をより深く掘り下げた内容となっています。

注目される理由:透明性

世間の多くはまだAIに強い疑念を抱いていますが、NVIDIAの技術に精通した層は、専門家の深いインサイトをもとに、AIによって自分たちが何を得ているのか正確に理解しています。それは、NVIDIAの技術的な進歩を中心とした内容であっても、透明性の高い、最先端の情報です。

関連コンテンツ:生成AIを用いたマーケティングは期待通りか?AI活用の調査データを紐解く

第3位 Fidelity Investments(フィデリティ投信)

ブランド概要

フィデリティ投信は、個人および機関投資家の資産拡大を支援することで高く評価される金融サービス業界の大手企業です。投資運用から老後の資金計画まで幅広いサービスを取り扱う同社は、すべての顧客のファイナンシャルジャーニーを簡素化することを目指しています。今回の調査で第3位にランクインし、昨年の29位から急上昇していることから、同社のマーケティング戦略は間違いなかったといえるでしょう。

コンテンツマーケティングへの取り組み

インクルーシブなマーケティングと顧客のエンパワーメントに尽力するフィデリティ投信は、優れた手法で、「金融」をとっつきやすく魅力的なものにしています。ブログSNS上の啓発コンテンツを通じて、複雑な金融トピックを分かりやすいアイデアと実行可能なアドバイスに落とし込んでいます。

さらに重要なのは、熱心なカスタマーインクルージョンの上層部があらゆるニーズに配慮することを徹底している点です。そのおかげで、Women Talk Moneyコミュニティや、「Doors」キャンペーン(上記動画)のような取り組みが生まれました。現チャネルマーケティング事業部長のJanina Delloca-Pawlowskiによると、これは「文化的なインサイトを注入することで、特定のコミュニティと一般消費者に関連性を持たせることができる典型的な例」です。

データとインサイトは豊富に存在しています。それらの背景にある動機を理解し、文化的に正しく、心に響くメッセージングを展開するチャンスがあります。

秀逸なキャンペーン事例:インベスト・イン・マイ・エデュケーション (ME)


フィデリティ投信は昨年、同社のメッセージを行動に移すため、インベスト・イン・マイ・エデュケーション(ME)を発表しました。MEは「黒人、ラテン系、歴史的に十分な教育を受けられなかった学生の大学進学費用の支援や経済的流動性の促進、そして世代を超えた富を築くことを目的とした2億5000万ドルの社会的インパクトのあるイニシアチブ」です。

奨学金、メンター制度、継続的な支援、および就職に向けたキャリアパスを提供するこのプログラムは今秋、フィデリティ奨学生プログラムの2年目に突入します。留年、修了、エコシステム構築のための新たな助成金の機会も加わり、プログラムは順調に進んでいます。

注目される理由:コミュニティへの影響

「フィデリティ投信はインクルーシブな企業文化を持つことで、顧客にとってより頼もしい支援者になれるはずです」とDelloca-Pawlowskiは言います。この指針のもと、同社は「経済的基盤を築くためのリソースの提供を目的とした、黒人およびラテン系コミュニティのための独自の足場」作りに取り組んできました。

🌎 関連コンテンツ(英語):3 Brands Getting Purpose-Driven Marketing Right

第4位 SONY(ソニー)

ブランド概要

エレクトロニクスとエンターテイメントの巨大企業であるソニーは、多様な製品ラインアップで世界中の人々に感動と楽しみを提供することを目指しています。ゲーム機、テレビ、スマートフォン、カメラ、その他多くのデバイスに加え、映画、音楽、メディアに特化した複数のスタジオを持つこのグローバルリーダーは、一貫して革新的で高品質な製品とコンテンツを提供することで、今回の調査の第4位の座を獲得しました。

コンテンツマーケティングへの取り組み

多様なストーリーを持つソニーのコンテンツマーケティングでは、話題作りとエンゲージメントが高いコミュニティの維持を軸にしています。さまざまなブランド特設サイトブログSNSを通して、製品発表やリリースの舞台裏まで、幅広い情報をシェアしています。

また、「State of Play」や「ソニーワールドフォトグラフィーアワード」といった特別番組やイベントも数多く開催することで、さらにリーチを拡大し、ファンとの深いつながりを築いています。つまり、こうした活動は消費者の忠誠心を保ち、彼らにさらなる期待を抱かせるとともに、アメリカで最も信頼される企業の一つとしての評判を強化しているのです。

秀逸なキャンペーン事例:Live From PS5(PS5からのライブ配信)

ソニーの「Live from PS5」キャンペーンは、ゲーム機を再燃させるために企画された、イマーシブかつインクルーシブなマーケティングの例です。ジャーナリスト、キャスター、ニュース速報など、ニュース番組を模倣したこの架空メディアは、奇想天外ともいえるニュースを取り上げました。それは、「世界中のゲーマーがPS5で人気作品の再リリース版を手に入れようとする中、その世界観が地球上で再現される」というニュースです。

オーディエンスを完全にゲームに引き込むために、キャンペーンはさらなる展開を見せます。

私たちは、ゲーマーをニュースチームに招待しました」と、このキャンペーンを手がけたクリエイティブエージェンシーのAmplify社は説明します。「作成ボタンから直接、ゲーマーたち自身が速報をリポートし、デジタル屋外広告にリアルタイムで掲載できるようにしました」。ここに、一連のライブイベント、ゲームプレイセッション、開発者インタビューを加えることで、コミュニティの一体感はさらに強まりました。

このキャンペーンは、PS5に対する需要を再び活性化させ、大幅な売り上げ増を達成し、ゲーム業界における画期的な製品としての地位を確固たるものにしました。

注目される理由:エンゲージメントが高いゲーマーの存在

「Live from PS5」ではリアルタイムのシナリオを採用することで、ユーザーがPlayStationの世界観の臨場感を直接、そしてグループでライブ体験できるようにしました。51の市場と32の言語にまたがるこの活気に満ちた参加型体験は、「4週間以内に、テレビ、SNS、屋外広告、デジタルディスプレイ、特殊広告など、複数のチャネルにまたがる600以上のアセット」にまで発展しました。

その結果は言うまでもありません。「ソニーの今年度のPS5販売数は1,910万台で、自社予想の1,800万台を上回り、前年度の1,150万台から66%増の売上げを記録しました」とAmplify社は報じています。

📽️ 関連コンテンツ(英語):The 4 Best Branded Videos We’ve Seen So Far in 2024

第5位 adidas(アディダス)

ブランド概要

性能とファッション性を融合させるアディダスは、ランニングシューズやスポーツウェア、雑貨にいたるまで幅広い製品を提供しています。Patagonia(第8位)を抑え、今回の調査のトップ10にランクインした唯一のフットウェア企業として、価値観(スポーツへの献身、サステナビリティ、アスリート性を見つけ出し受け入れること)を顧客と共有することにより、素晴らしい評価を維持しています。

コンテンツマーケティングへの取り組み

アディダスはコンテンツマーケティングで、インスピレーションとつながりを大切にしています。アスリートや従業員のストーリー、トレーニングのヒント、製品の最新情報、サステナビリティへの取り組みなどが、複数のブログSNSだけでなくさまざまな専用アプリで中心的な役割を担っており、またトップチームや有名スポーツ選手、その他インフルエンサーとのコラボレーションは、ブランドの信頼性を高めています。アディダスは、オーディエンスのニーズ、関心、目標を反映したエネルギッシュなキャンペーンと、安定したコンテンツの供給によってトップクラスの地位を維持しているのです。

秀逸なキャンペーン事例:You Got This(大丈夫、いける。)

今年の「You Got This」キャンペーンは、その最たる例です。ユーザーの感情を利用したこの取り組みは、Z世代のスポーツ離れに対応するものです。グローバルブランドコミュニケーション担当シニアマネージャーのCarly Rushfordは、「消費者がスポーツの楽しさを取り戻すのを助けるという、弊社の役割を定義しようとしました」と言います。

同社は、人々がスポーツへのネガティブなプレッシャーから解放され、自分らしくスポーツができると信じられるようなポジションを築きたいと考えました。

キャンペーンの第一声(本セクション冒頭の動画)をベースに、スポーツ界の大物を起用し、プレッシャーの中で発揮される輝かしい瞬間や復活の瞬間をYouTube動画やSNS動画で紹介しました。

注目される理由:科学的研究

アディダスはオーディエンスに真の価値を届けるため、「neuro11」の第一線で活躍する神経科学者と提携し、パフォーマンスプレッシャーのマネジメントに関する実証済みのテクニックと専門家のインサイトを提供しています。アマチュアとプロアスリートの両方から得た脳データ研究に基づき、適切なプレッシャーマネジメントがパフォーマンスを最大40%向上することを明らかにしました。

🏅 関連コンテンツ(英語):Powerade Empowers Athletes Who ‘Take a Pause’ for Global Campaign Timed to Olympics

第7位 Honda(ホンダ:本田技研工業株式会社)

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ブランド概要

自動車分野における信頼性と革新性で知られるホンダは、自動車、オートバイ、電動機器(芝刈り機、発電機、除雪機など)の分野で根強い顧客基盤を確立してきました。今回の調査で第7位にランクインしたこのブランドは、モビリティの強化と人々の日常生活の向上に尽力しており、世間もそのひたむきな姿勢を評価しています。

コンテンツマーケティングへの取り組み

ホンダはブランドメッセージを伝えるために、さまざまなコンテンツマーケティングに取り組んでいます。「ニュースルーム」や特設サイトSNS上の活動を通じて、製品発表、技術進歩、カスタマーストーリーだけでなく、バーチャル試乗のようなインタラクティブな体験、EVへの移行に関する啓発キャンペーンなどを組み合わせて公開しています。最終的には、「Honda Civic Tour」や主要モーターショーのようなイベントを通じて顧客と直接つながることで、より強いつながりと顧客維持を実現しました。

秀逸なキャンペーン事例:Keep Dreaming(夢を追い続ける)

ホンダのイノベーティブな伝統と持続可能な未来へのコミットメントのアピールを狙いとした「Keep Dreaming」は、同社初の電動SUVである2024年モデルのPrologue(プロローグ)を紹介するために行われたブランドキャンペーンです。2050年までにカーボンニュートラルを達成するという目標に向け、この取り組みは米国で販売された最初のハイブリッド車から、電動垂直離着陸機(eVTOL)炭素回収のための藻類活用技術のような未来的なコンセプトまで、ホンダの歴史的な技術進歩だけでなく、これからの展望もクリエイティブに紹介しています。

仕上げとして、このキャンペーンに新たに追加したのが「Dream Generator」です。これは生成AIを活用した体験で、ユーザーがストーリーのテーマや画像、音声のコレクションからPrologueを際立たせるカスタム動画を作成・共有できるというものです。

注目される理由:AI実験

このような大規模な製品展開には多面的なアプローチが必要ですが、このアプローチはホンダのサステナビリティへの取り組みを全面に打ち出すと同時に、同社の成果を既存顧客や潜在顧客に伝えることに成功しています。

ブランドの力は、電動化された未来においてこれまで以上に重要になるでしょう。

— Jessika Laudermilk、アメリカン・ホンダ社 マーケティング部アシスタントVP

「Prologueを市場に送り出す準備を進める中で、既存顧客だけでなく新規の若い世代の購入者にも、ホンダブランドの本質、そして革新的なモビリティ製品を通じて人々の生活をより良くするというホンダの取り組みを理解してもらうことが重要です」。

他にもマーケティングのヒントをお探しですか?激しい競争が繰り広げられるコンテンツマーケティングの世界で、springboardのトップ50にランクインした企業をご覧ください。

この記事は、SpringboardのAnastasia Dyakovskayaが執筆し、Industry DiveがDiveMarketplaceを通じてライセンスを取得したものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまでお願いいたします。

元記事「America’s Sweethearts: 2024’s Most-Trusted Brands」は2024年6月18日にstudioID’s insights blog – springboardに掲載されました。

また、日本におけるIndustryDiveパブリッシャーネットワークに関してはamana Content Marketingまでお問い合わせください。

SOLUTION

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コンテンツマーケティングの本場であるアメリカで、業界を牽引するリーディングカンパニーであるIndustry Dive。国内唯一の独占パートナーであるアマナがその集合知を活用し、成果へと繋がるコンテンツマーケティングをサポートします。
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