街中の大型ビジョンや駅のデジタル案内板、店舗内の小型スクリーンに代表されるDOOH広告(Digital Out of Home)、そして中吊り広告や駅構内広告、ビルの屋外看板に代表されるOOH(Out of Home)広告は、現代の広告戦略において欠かせない広告メディアです。
特に日本国内におけるDOOH広告市場は急速に成長しており、2024年は934億円、2027年には1,396億円に達すると予測されています(出典:『デジタルサイネージ広告市場に関する調査2023』CARTA HOLDINGS、デジタルインファクト)。コロナ禍からの人流回復に伴い、DOOH広告の展開が増加し、その効果も向上しています。
本記事では、DOOH広告の最新技術とトレンド、そして国内でのDOOH広告・OOH広告の最新事例をご紹介します。
Netflixシリーズの実写版『幽☆遊☆白書』のプロモーションとして、因縁の2人が直接対峙する物語のクライマックスシーンが、人通りの多い渋谷で再現されました。一方のビルに描かれた巨大な浦飯幽助(北村匠海さん)の指から、必殺技である「霊丸」を模したサーチライトが撃たれ、反対側のビルに描かれた戸愚呂(綾野剛さん)が受けて立つ様子を表現。このプロモーションは、多くの通行人の注目を集めることに成功し、本作は公開から1週間で、Netflix上の英語を含めた全言語シリーズで全世界2位を獲得する大ヒットを記録しました。プロモーションの全容はこちらから。
JR両国駅3番ホームに設置されたのは、全長約25メートル、高さ約2.8メートルの「ジャイアント猿桜像」。Netflixシリーズ『サンクチュアリ ‐聖域‐ 』のプロモーションとして、大相撲夏場所の初日である2023年5月14日、激しい稽古で横たわる巨大な力士像「猿桜」が登場し、話題を集めました。ホームだけでなく、駅構内全体にもビジュアルやコピーが展開され、キャッチフレーズは「番狂わせろ」。実写版映像作品のプロモーションながら、あえて2Dの像で表現し、迫力が増すような工夫が凝らされた結果、大相撲ファンのみならず、駅の利用者に大きなインパクトを与えることに成功しました。
JR新宿東口駅前広場に設置された3Dビルボード「クロス新宿ビジョン」。2021年、リアルに動く巨大な猫の映像が突然流れ、通行人を驚かせました。放映が始まる朝に猫が目覚め、夜は眠くなって消灯するというリアリティのある時間軸も話題に。この映像は日本のみならず世界的にも話題となり、SNSでも広くシェアされました。このプロモーションは、都市の屋外サイネージの新たな可能性を示し、ファンが参加して作り上げる新しいエンターテインメントメディアとしての役割も果たしました。
アウディジャパンは、表参道交差点近くの屋外広告「OMOSANシンクロ」にて、「Audi Q4 e-tron」の革新的な広告キャンペーンを展開しました。この広告の最大の特徴は、特殊なメガネを必要としない「裸眼3D」技術を使用していることです。この技術により、通行人は目の錯覚を利用した3D効果を楽しむことができます。広告映像では、電気自動車ならではの充電シーンや、Audi Q4 e-tronが縦横無尽に走る様子が描かれました。
「話すビル」は、東京ビエンナーレ2023の「Not Lost Tokyo」プロジェクトの一環で、東京の記憶や風景を次世代へ伝えることを目的として制作されました。新宿長野屋ビルに設置された屋外ビジョン「LIVE BOARD」を用いて、ビルの窓や壁が顔のように現れ、参加者がマイクで話しかけると、ChatGPTを利用して周辺の街の歴史などが語られる仕組み。屋外ビジョン、建物、AIが一体化して人々と対話する画期的な試みとなりました。
DOOH広告やOOH広告は、最新技術やトレンドを取り入れることで、より効果的でインパクトのあるキャンペーンを展開できます。もし、自社広告の費用対効果に課題を感じているなら、消費者とのエンゲージメントを強化する新しい広告戦略として、DOOH広告・OOH広告を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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文:小林拓美
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