消費者の記憶に残り続ける、予想外のコラボレーションで2024年に話題を呼んだ6ブランド

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2024年に発信されたブランドパートナーシップは驚くものばかりで、面白くかつ予想外のコラボレーションが次々と登場しています。スーパーボウルの視聴者を奇妙なユーモアで魅了した、俳優のMichael CeraとスキンケアブランドCeraVeのバイラル広告から、異業種同士の大規模なコラボまで、衝撃的なコラボレーションは消費者の想像力を掻き立て、さらなる期待を与えます。

ラグジュアリーファッションと有名人・大企業の組み合わせや、業界の枠を超えたB2Bの提携なども含め、パートナーシップが展開するのは商品だけではありません。既成概念にとらわれない発想があれば、ブランドはいつまでも記憶に残る結果を生み出せるのです。以下では、今年最も話題を呼んだブランドパートナーシップの事例を紹介します。

Heinz × Absolutのトマトウォッカパスタソース

パートナーシップの詳細

昨年、食品メーカーのHeinzとウォッカブランドのAbsolut Vodkaが予想外かつ天才的なコラボレーションを行いました。それが、「Heinz x Absolut Tomato Vodka Pasta Sauce(トマトウォッカパスタソース)」です。2020年にスーパーモデルのGigi HadidがTikTokに公開し、瞬く間に話題となったウォッカパスタのレシピにインスパイアされ製造し、当初は限定商品として発売したものの、わずか4日で完売するほどの反響でした。2024年、かつてないほどの需要に応えて、「Heinz x Absolut Tomato Vodka Pasta Sauce(トマトウォッカパスタソース)」がオンラインとイギリスの店頭に復活。この事例は、ブランドが口コミやSNSを活用し、いかに話題性の高い商品を生み出せるかを示しています。

私たちは、SNSトレンドのスピードに合わせて、消費者に美味しい味を提供し、革新し続けることを約束します。

– Caio Fontenele、Kraft Heinzイギリスおよびアイルランド支社 ニューベンチャーディレクター

注目を集めた理由

SNSが牽引する食のトレンドを捉えたこのソースは、瞬く間にTikTokをはじめとするSNS上のマストアイテムとなりました。また、Absolut社のウェブサイトでコラボの背景、ドリンクや料理のレシピ、キャンペーン画像、FAQなどのコンテンツを提供しています。中にはクスっと笑えるようなユーモアの効いたコンテンツもあり、消費者の心を掴んだようです。現在、イギリスのスーパーに復活したこの商品は、クリエイティビティとコラボレーション、そして上質な素材を組み合わせれば、思いもよらない素晴らしいものが生まれることを示しています。

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Persil × クリスチャン・シリアノのファッションお悩み相談室キャンペーン

パートナーシップの詳細

洗濯洗剤ブランドのPersilはこの夏、TikTokでファッション界の大御所クリスチャン・シリアノとタッグを組み、ユニークで斬新なキャンペーンを展開しました。このコラボでは、24時間ワードローブ・リフレッシュ・ホットライン(24-Hour Wardrobe Refresh Hotline)を開設。そこでは、ユーザーが生電話でシリアノ本人から着こなしのアドバイスや、衣類ケアのヒント、そしてコーディネートのインスピレーションを得られます。

Persil社のTikTokアカウントで配信されたこのイベントは、人々がお気に入りのアイテムを繰り返し着用することを促進しつつ、Persil社の高品質な洗剤を使って、洗濯のたびに衣類を生き生きとした状態に保つ方法を紹介することを目的としていました。

またシリアノにとっても、このパートナーシップはとても理にかなったものでした。「自分の服をどうしたらいいか知りたがっている人はたくさんいます。また、買いすぎることなく、適切なものを購入しようと意識している人もたくさんいます。クライアントからそういった質問をよく受けます」と彼は語ります。

注目を集めた理由

単に洗濯のことだけではないこのイベントは、配信の途中で他のインフルエンサーがサプライズ登場するというインタラクティブな体験もユーザーに与えました。

大胆で独創的なスタイルで知られるデザイナーとタイアップすることで、Persil社は、環境に配慮しながらも最高のスタイルを求める、ファッションに敏感な消費者にとって頼りになる洗剤としての地位を確立しました。

衣類を長持ちさせ、見栄えを良くするためのお手入れに重点を置くPersil社の新たなブランドアイデンティティにぴったりです。

「当社にとって、これは必ずしも即時の売上につながるものではありませんでした」とPersil社のマーケティングディレクターであるMatthew Kutnickは述べています。「これは、当社の洗濯洗剤が衣類をより長く新品のように保つというメッセージを打ち出すものでした」。

「私たちは、Persilを『洋服を繰り返し着るための公式洗剤』としてアピールしたいと考えていましたが、それを消費者にとって魅力的な方法で、本当に役立つ体験として提供したいと思いました。つまり、消費者が電話をかけてワードローブを充実させるためのヒントやコツを得られるようにすることです」。

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Palo Alto Networks × キアヌ・リーブスのキャラを生かしたプロモーション

パートナーシップの詳細

さらに大胆な一手として、セキュリティ企業のPalo Alto Networksは今年、キアヌ・リーブスとタイアップし、「This is Precision AI」と題した大規模なB2Bキャンペーンを展開しました。代表作『マトリックス』や『ジョン・ウィック』といったアクション映画で有名なリーブスは、そのよく知られた冷静沈着なキャラクターをこのコラボに生かし、サイバー攻撃に対抗する同社の先進的なセキュリティソリューションをプロモーションしています。

「B2B」は「企業対退屈(business-to-boring)」という意味ではありません。サイバーセキュリティをどこまでクールにできるかが重要です。

– Unnikrishnan KP、Palo Alto Networks社 最高マーケティング責任者

注目を集めた理由

「マーケティングで当社が試みる重要なポイントの1つは、典型的・技術的テクニカルな話をどのようにわかりやすく伝えていくかを真剣に考えることです。同時に、より創造的で魅力的なものにして、人々のエンゲージを得ることも目指しています」とKPは説明します。

ハリウッドの華やかさとサイバーセキュリティの厳格さを融合させることに焦点を当てたこの取り組みは、複雑なトピックをより身近なものにしています。また、リーブスのような一流俳優を起用することでスター性が加わり、Palo Alto Networks社をテクノロジー分野だけでなくクリエイティブマーケティングにおけるリーダーとしても位置づけました。

e.l.f. × Liquid Deathのコープスペイントのためのメイクボックス

パートナーシップの詳細

今年最も予想外だった美容コラボレーションの1つとして、e.l.f. Cosmeticsは、自社を「おもしろい飲料水の会社」と評する飲料水メーカーのLiquid Death社とタッグを組み、限定メイクアップコレクション「Corpse Paint Vault」を制作しました。Liquid Death社は、「お酒を飲む場で飲んでもダサくない水」としてユニークなデザインの缶入りウォーターを販売し、ヒットをおさめています。このコラボでは、棺型のパッケージに収められた、ヘビーメタルの強烈な美学からインスピレーションを得たメイクアップセットを販売。ファンが究極のメタルルックを実現するためにデザインされたアイテムが揃い、Liquid Death社の型破りなブランドイメージに完璧にマッチした雰囲気に仕上がっています。

このコラボレーションは、風刺やパロディを取り入ることで人々にリーチし、当社が普段積極的に関与していないカテゴリーにユーモアをもたらしてくれました。

– Andy Pearson、Liquid Death社 クリエイティブVP

注目を集めた理由

関係のない2つの業界をシームレスに融合させ1つの製品に仕上げた「Corpse Paint Vault」。両ブランドのコアな価値観に沿ったものであると同時に、型にはまらない美と自己表現のトレンドを取り入れたものでもありました。「当社が一緒に仕事をする多くのブランドにとって、コラボレーションは新たな市場に参入し、ブランドが拡大する機会を与えます」とPearsonはMarketing Diveに語りました。

「ベン図の真ん中には大抵、実に興味深く、面白いチャンスがあります。そこには『正しい』答えがあるものです。e.l.f.と話した時、私たちはすぐに『Corpse Paint Vault』のアイデアを思いつきました。まさに2つのブランドが一緒になって挑戦できることだったからです」。

私たちにとっては、普段足を踏み入れることのない領域に入り込み、そのブランドや有名人が存在するポップカルチャーの一角に、独自のLiquid Deathのエッセンスを注入できるわけです。

Autodesk × Olympicsのロサンゼルス2028に向けた大規模改修

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パートナーシップの詳細

設計ソフトウェア企業のAutodesk社は、2028年ロサンゼルスオリンピック・パラリンピック大会の公式プラットフォームに選出されたブランドであり、そのパートナーシップは、「サステナビリティ」と「イノベーション」が主軸です。目標は、常設会場を新設せずに2028年の大会をロサンゼルスで開催すること。その代わりAutodesk社の最先端ソフトウェアが、有名なロサンゼルス・メモリアル・コロシアムを含む南カリフォルニアの40を超える既存会場の改修などに使用されます。

「今後4年間、ロサンゼルス2028はあらゆる業界でAutodesk社のソフトウェアを活用していきます。建築、エンジニアリング、建設、運営、設計・製造、メディア・エンターテインメントなど幅広い分野に対応します」と同社のCMOであるDara Tresederは言います。「ロサンゼルス2028がその目的を達成するためには、強力なテクノロジーと連携する必要があり、Autodesk社はそれを提供します」。

これは、4年間にわたるビジネスとストーリーテリングの機会のほんの始まりにすぎません。

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注目を集めた理由

このコラボレーションは、単に大会のためのスペースを作るだけでなく、サステナブルなイベント企画の新たなスタンダードを確立するものです。Autodesk社のビルディングインフォメーションモデリング(BIM)ツールは、既存の構造物の再利用と転用に重点を置くことで、設計プロセスの合理化、コストの削減、二酸化炭素排出量の最小化を支援します。

「戦略的な性質上、これは単にロゴを貼って広告を出すだけの通常のパートナーシップではありません」とTresederは述べます。「そこには深い戦略的なつながりがあります」。先進的なテクノロジーとサステナビリティへの強いコミットメントを融合させることで、大会とロサンゼルス市全体の双方に永続的かつポジティブな効果を残そうとしています。

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この記事は、SpringboardのAnastasia Dyakovskayaが執筆し、Industry DiveがDiveMarketplaceを通じてライセンスを取得したものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまでお願いいたします。

元記事「6 Unexpected Brand Partnerships Making Waves in 2024」は2024年8月20日にstudioID’s insights blog – springboardに掲載されました。

また、日本におけるIndustryDiveパブリッシャーネットワークに関してはamana Content Marketingまでお問い合わせください。

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