シズル感で魅力倍増!プロが教える撮影テクニック

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シズルで企業の課題解決!シズルのすべてをお伝えするシズルチャンネル

シズル感は、ビジュアルコミュニケーションにおいて瞬時に心を掴む要素として不可欠です。これまでの記事でシズルの基礎を学んだ皆さんへ、今回は「おいしさ」を伝えるための5つのポイントを紹介します。シズルディレクター兼フォトグラファーの大手仁志が、30年の経験を基に、より魅力的なビジュアルを作り上げる撮影方法を解説します。

これまでの記事

vol.1:シズルで企業の課題解決!シズルのすべてをお伝えするシズルチャンネル
vol.2:シズル撮影で瞬殺!ビジュアルで心をつかむプロの秘訣


人が「おいしさ」を感じる五感とは?

人は食事をするとき、無意識のうちに五感をフルに活用しながら「おいしさ」を感じ取っています。

視覚:鮮やかな彩りやツヤのある見た目、美しく盛り付けられた料理は、それだけで「美味しそう!」という期待感につながります。

嗅覚:焼きたてのパンの香ばしい香りやスパイスの豊かな香りが漂うと、食欲が湧いてきます。

味覚:甘味・塩味・酸味・苦味・うま味が舌の上で感じ取られ、料理の魅力を決定づけます。

触覚:サクサクとした歯ごたえ、とろけるような口当たりなどが、料理の印象をより深めます。

聴覚:ステーキの「ジュージュー」という音や、天ぷらのサクッとした食感が、美味しさを演出します。

料理写真では視覚情報のみを使って、これらの感覚を想起させる工夫が求められます。広告制作の現場ではどのように「おいしさ」を伝える写真を作るのか、5つのポイントを紹介します。

おいしさが伝わる写真のレシピ:シズル表現の5つのポイント

シズル表現ポイント

シズル表現ポイント1. 立体感

料理の立体感を演出することで、食材の魅力を引き出せます。
・フォークや箸で持ち上げることで高さをつける
・盛り付けを工夫し、奥行きを表現する

シズル表現ポイント2. つや

光の反射を活用することで、食材がイキイキと見えます。
・ソースやタレの濃度、具材の質感を際立たせる
・ライティングを工夫し、適切なハイライトを入れる

シズル表現ポイント3. 彩り

食材の色のバランスは視線誘導の鍵となります。
・赤や緑など、彩度の高い色を差し色に使う
・フードスタイリストと打ち合わせし、効果的な色味の食材を揃える

シズル表現ポイント4. ライブ感

食べる瞬間や調理中の動きを切り取ることで生まれます。
・揚げ物が油の中でジュワッと音を立てる瞬間
・ピザのチーズがとろ〜りと伸びる様子
・ラーメンのスープをレンゲですくう瞬間
これらのシーンは、美味しさを直感的に伝える強力な要素となります。ただし、瞬間を捉えるスキルが求められるため、撮影には高い技術が必要です。

シズル表現ポイント5. 空気感

料理が置かれた空間や雰囲気を表現することで、感情に訴えかける写真に仕上がります。
・朝の光がきらきらと差し込む食卓
・夕暮れ時のリラックスした食事シーン
・湯気が立ちのぼる温かい料理
これらの要素を取り入れることで、よりエモーショナルな写真に仕上がります。浅い被写界深度(背景をぼかす技法)を活用すると、さらに雰囲気が引き立ちます。


シズル表現のポイントを活かした実践:温度を伝えるスープ撮影

これらのシズル表現のポイントを活かし、実際に撮影した事例を基に解説します。具体的な例として、「温かさを伝えるスープの撮影」をみてみましょう。

スープ

シズル撮影のポイント

・スープカップを手で包み込む → 温かみを演出
・厚みのあるカップを選ぶ → 温もりを感じさせる
・背景にぼかしたセーターのドレープを入れる → 湯気のような印象を作る
・色味をウォームトーンに調整 → 温かさを強調

以上のポイントを表現しつつ、シズル表現の5つのポイントの中の「つや」「空気感」を活用したビジュアルに仕上げました。こうした工夫により、写真を見た人に「温かそう」「飲みたい!」という気持ちを引き出せます。

まとめ

食事の魅力を写真で伝えるには、「立体感」「つや」「彩り」「ライブ感」「空気感」という5つのシズル表現のポイントを意識することが重要です。これらを押さえることで、視覚情報だけでも「おいしさ」がしっかりと伝わる写真を撮影できます。

さらに、「おいしさを伝える撮影術」を学べる一冊が2月27日に玄光社から発売されます。

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タイトルは、『おいしい瞬間の撮影レシピ』。

食の撮影を専門とするhueフォトグラファーが、これまで『コマーシャル・フォト』で2023年4月号から2024年4月号までの一年にわたって連載してきた撮りおろし企画「おいしい瞬間」と、2024年3月号の料理特集「もっと! おいしい瞬間」に掲載された作品を一冊にまとめました。

本書には、
・5つのポイントを活かした撮影事例
・四季をテーマにした撮影テクニック
・6名のフォトグラファーが「スープ」をテーマに撮り比べる企画
・料理撮影のフォトディレクションやシズル感の演出テクニック  

料理写真に関するあらゆる情報が詰まっています。おいしさが伝わる料理写真を撮りたい方は、ぜひ本書を手に取って「おいしい瞬間」を写真に収めるコツを学んでください。

詳細はこちら:アマナのシズル撮影専門チームhueより『“おいしい瞬間”の撮影レシピ』発売決定
予約受付中です!

文・撮影:大手仁志 (アマナ)

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