自社の「らしさ」や「自社ならでは」の強みを、“何となく分かっているつもり”、“伝えたつもり”にしてはいないでしょうか。広告や広報活動で期待したほどの反応が得られなかったり、営業資料を提示しても相手に共感を得られなかったり──。多くの企業が、自社の価値を市場に正しく伝え切れない現実に直面しています。
いま求められているのは、属人的な感覚に頼るのではなく、誰もが共通の理解を持ち、社内外で共鳴を生む「Visibility(可視性)」を設計することです。
Visibilityとは、単なる「見える化」にとどまりません。広告やWebサイトのビジュアルやデザインなど、“目に見えるもの”を整えるだけでは、相手の心を動かすには不十分です。重要なのは、企業が持つ価値や意志を「誰に」「どのように」「どんな手段で」伝えるのかを、全体としてデザインすることにあります。
たとえば、ブランドのメッセージを単に掲げるのではなく、顧客体験や社員の行動、さらには社会への関わり方まで一貫性を持たせる──。その統合された設計思想こそが、企業の存在をより鮮明にし、人々との共鳴を生み出す基盤になるのです。
アマナでは、企業が抱えるコミュニケーション課題に正面から向き合い、その解決策を探るイベントを継続的に開催しています。毎回、先進企業の実践者や有識者を迎え、未来を見据えた議論が交わされます。今回のテーマは「Visibility」。「Brand」「Activity」「Business」という3つの視点から、
・企業の“らしさ”が伝わらない
・営業コミュニケーションが機能しない
そんな課題を出発点に、これからの企業に不可欠なVisibilityと、そこに息づく創造性について掘り下げます。
今回のイベントに向けて、登壇者の方々からコメントを寄せていただきました。
ヤマハ発動機株式会社/執行役員 クリエイティブ本部長
今後のビジネスにおいては、思考やAIを使い論理的に理解して行動することよりも、理解できないことからでも感じて行動できることの方が重要になるのではないか。言葉にならないことをどう伝えるか。体験的な価値や身体からどう感じてもらうか。AIや量子コンピュータを駆使しても伝えられないものとは。我々ヤマハ発動機が掲げる「感動創造企業」に込めた思いの紐解きをしながら、それらの問いに対峙する取組みをお話しできればと思います。
アビームコンサルティング株式会社/顧客価値戦略ユニット プリンシパル
多様化する顧客接点、爆発的に増加する情報量、複雑に絡み合う文脈。こういった状況において「伝えたい」と「受け止めた」を繋いでいくことは、かつてないほど難しく且つ重要な課題です。企業のコミュニケーションが作られる現場で今、どんな試みが行われているのか、その最奥にあるべき視座と考え方に必要なものは何か。イベント全体を通して考えます。
株式会社アマナ/コミュニケーションプランナー
かつて日本の企業は、同じ前提や価値観を共有する文化で発展してきました。 しかし今は、背景もリテラシーも異なる人と協働する時代です。もはや前提は共有されていない──だからこそ伝え方を変える必要があります。 入口をそろえる「普遍性」、心を開く「共感性」、選ばれる「差別化」。その視点から「伝える」本質に迫ります。
株式会社アマナ/プランナー
“伝わらない”の多くは、抽象(理念・戦略)と具体(現場の活動)のレイヤーがかみ合っていないことから生まれます。どんなに正確に発信したつもりでも、最終的には受け手の解釈に委ねられる。企業活動におけるVisibilityには、この具体と抽象を行き来する対話が欠かせません。さらに、その量と質を高めていくことが重要だと考えています。
Visibilityは、特定の部署だけが取り組むテーマではなく、企業全体を動かす基盤です。第一線の識者と共に考えることで、次のような学びを持ち帰ることができます。
・「伝わらない」ブランドや営業活動を変える具体的なアプローチ
・属人的な経験や感覚に依存しない、組織的な可視化の仕組み
・社内外をつなぎ、共鳴を生み出すコミュニケーション設計の考え方
・これからの企業に必須となる「創造性」を経営に実装するヒント
本記事では概要をご紹介しました。登壇者や具体的なセッション内容、会場情報などの詳細は、以下のページでご確認いただけますので是非ご覧ください。
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共感や信頼を通して顧客にとっての価値を高めていく「企業ブランディング」、時代に合わせてブランドを見直していく「リブランディング」、組織力をあげるための「インナーブランディング」、ブランドの魅力をショップや展示会で演出する「空間ブランディング」、地域の魅力を引き出し継続的に成長をサポートする「地域ブランディング」など、幅広いブランディングに対応しています。