なぜ世界のトップランナーは「謙虚」であり続けるのか

AIで覚醒する脳
本記事は企業の広告・ブランド担当者に役立つ本から、気になる一節を数回に分けてご紹介する連載です。読みながら、その本の“考え方”に少しずつ触れていただけます。

世界的な成功を収める人々に共通する資質とは何でしょうか。ここではAI時代において、成果や才能以上に重要となる「謙虚さ」が、なぜ成功に欠かせない要素なのかをひも解きます。


~本コンテンツは、書籍『AIで覚醒する脳』(茂木健一郎著・実務教育出版刊)にて、脳科学者の茂木健一郎氏が語るAI時代における人間の脳や感性、創造性が果たす役割から一部抜粋・編集したものです(この記事は第2回/全3回)。

No.1:AI時代に仕事を奪われる人、価値を生み出す人の決定的な違い

No.3:AI時代、ペーパーテストを解く能力にあまり意味はない(1月21日公開予定)


世界を席巻する成功者たちはなぜ「謙虚」なのか

「ニューヨーク・タイムズ」が、イエール大学の助教授で経済学者 成田悠輔(なりた ゆうすけ)さんの発言を取り上げ、日本国内だけでなく世界中のメディアで報じられ、炎上しました。

成田さんは、2021年12月に放送されたインターネットテレビ局「AbemaTV(アベマテレビ)」に出演の際、少子高齢化や労働生産性、人口減と地方の過疎化などについて出演者らと議論する中で、

「唯一の解決策は、はっきりしていると思っていて、結局、高齢者の集団自決、集団切腹みたいなのしかないんじゃないかな」

と発言してしまったのです。

成田さんといえば、東京大学を卒業後、マサチューセッツ工科大学(MIT)でPh.D.を取得するなど、実に輝かしいキャリアの持ち主です。また、お人柄もとても興味深く、鋭い視点を持っています。

ですが、こうした成田さんの発言を見ていて、今さらながら思い知らされたのは、これから求められる「いい人」の特性から大きく外れてしまっているということです。

では、このAI時代で成功に欠かせない「いい人」の特性とは何でしょうか。

情熱的であること?

意欲的であること?

戦略的であること?

たしかに、これらも成功するための大切な特性でしょう。しかし見落とされがちなある特性が一つあります。

謙虚さです。

ビル・ゲイツ、イーロン・マスク、そしてサム・アルトマンなど、ビッグテックの成功者たちに共通する重要な特性がこの謙虚さなのです。

「成功はひどい教師と同じ。成功を重ねすぎると自分が失敗するはずがないと勘違いしてしまうんだ」

ビル・ゲイツの言葉です。

ビル・ゲイツのこの言葉には、どれだけ成功を収めていても謙虚さを忘れてはいけない。成功は人生を変えるきっかけになるかもしれないが、それによって自分の内面が変わってはいけないということを教えてくれています。

続いて、イーロン・マスク。

以前、CNNのインタビューで次のように話していたことが印象的でした。

「テスラとスペースXの事業を始めたとき、両方とも成功の確率は50%未満だろうと考えていた。万事うまくいくと確信していたのではなかったのだ。だが、こう考えた。

『まあ、うまくいかないかもしれないが、やってみる価値はある。やってみてどうなるかが重要なのだから……』と」

この言葉から、私はイーロン・マスクという人間は冷静に自分を評価した上で、しっかりと目標を持って努力ができる、その自信があるのだなと感じました。

最後はサム・アルトマン。

サム・アルトマンは現在、AI業界でその名を知られる天才起業家です。

彼は、幼少期からコンピューターに触れ、スタンフォード大学を中退後、Loopt(ループト)社を共同設立し成功を収め、現在はあの「ChatGPT」を世に送り出した「OpenAI」のCEOとして世界のAI研究開発をリードしています。

サム・アルトマンは、非常に野心的で仕事熱心なことで知られています。長時間働くことをいとわず、常に自分を追い込んでいるようです。

そんな彼のもう一つの顔が謙虚さです。周囲の人々からは、他人を深く思いやる、親切で共感的な人物であると評価されています。

また、彼は頻繁に慈善事業に寄付をしており、世界に良い影響を与えることを大切にしているといいます。どんなに大きな成功を手に入れても、勤勉で他者への共感を忘れない。まさに、彼が謙虚な人間であるということを証明しているわけです。


(この記事は第2回/全3回)

No.1:AI時代に仕事を奪われる人、価値を生み出す人の決定的な違い

No.3:AI時代、ペーパーテストを解く能力にあまり意味はない (1月21日公開予定) 


▼書籍紹介
生成AIの急速な普及により、マーケティングやコミュニケーションの現場でも「人間にしかできない価値」があらためて問われています。本書は脳科学者・茂木健一郎氏が、AI時代において人間の脳や感性、創造性が果たす役割を解き明かす一冊です。
論理や効率ではAIが優位に立つ一方で、共感を生み出す発想力や直感、物語を紡ぐ力は人間ならではの強み。広告・ブランディング・コンテンツ開発において、これから何を磨き、どう価値を生み出すべきか。AIと競うのではなく、AIを活用しながら“人間らしさ”を武器にするための視座を与えてくれます。

▼書籍情報
書名:AIで覚醒する脳 AIには絶対できないこと 人間だけができること
著者:茂木健一郎
出版社:実務教育出版
発売日:2025年9月29日
リンク:https://amzn.asia/d/116iGtF


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