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「蛾」が苦手だという人は少なくないかもしれません。でも、なぜ苦手なのでしょうか。突然襲ってくるから? 毒がある? 柄が好みではない? チョウなら平気?とその理由はさまざまでしょう。
この地球上でもっとも多い生物は昆虫です。100万種を超えるともいわれるなかで、蛾は名前が知られているものだけでも世界で数万種類おり、まだ名前が付いていないものも含めるとその数は未知数です。
一般的に蛾と言うと、茶色い蛾を想像するのではないでしょうか。しかし、その柄も実にさまざま。華麗な美しさをもつもの。芸術作品のように精緻な模様を誇るもの。忍者のように森に溶け込む迷彩柄をもつものも。最近では、蛾をモチーフにしたアートやファッションも多く、関連書籍も多数発売されブームの兆しを見せています。今回のイベントのトップビジュアルの写真も、刺繍で蛾を再現して人気を集めるアーティスト、蛾売りおじさんの作品です。このように蛾の身体的な美しさは、ジャンルを超えてデザインやカルチャー業界にも波及し始めています。
そもそも蛾は、私たちの生活と深く関わってきました。シルク(絹)の服は多くの人に好まれていますが、カイコと呼ばれる蛾の幼虫のまゆからつくられています。絹は数千年前から利用され、重宝されてきました。また、20世紀初頭の日本の生糸の生産量は世界一で、主要な産業のひとつでした。そう、蛾と人は長く深い付き合いなのです。
それだけではなく、一部の蛾の眼がもつ、光を吸収して反射しないという特性を活かした無反射フィルムが開発されています。こうした、生物の構造や生態を研究し、応用することを「バイオミメティクス(生物模倣)」といい、近年ビジネスシーンでも注目されている分野です。蛾はバイオミメティクスの対象としても有力なのです。
このように蛾の世界は不思議で奥深いもの。今回の「H(エイチ)」とアマナデザインの「オモシロ未来研究所」とのコラボレーション企画第5弾では、ひと言では語れない多様な蛾の世界について、ふたりの専門家をお招きして掘り下げます。
スピーカーは「モスラの口は横開きの噛み口なので、蛾とは認められない」と語る、蛾の研究における第一人者であり、日本蛾類学会会長の岸田泰則さんと、三菱ケミカル株式会社で「モスアイ」のバイオミメティクスについて研究をされている魚津吉弘さんです。
知っているようで、実はあまり知られていない蛾の世界。カルチャーからビジネスまで幅広い蛾の魅力を、あますところなくお伝えします。
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