NewsCredは、ロンドンのSomerset Houseで6月に小規模なイベントを開催し、地元のマーケターたちを招待して食事をしながらネットワーキングを楽しんだり、最近話題の GDPRに関するパネルディスカッションに参加いただいたりしました。
NewsCredの法務および商務担当バイスプレジデントであるNabilah Irshadsのパネルディスカッションでは、MarketoのEMEA圏プレジデントであるJamie AndersonとSantanderのGDPRプログラムのディレクターであるGary Brownにご登壇いただきました。
ここに掲載された記事にもあるように、一般データ保護規則は、EU市民のプライバシーとデータを保護する一連のルールです。とはいえ、このイベントはGDPRの第101条クラスの内容、実施方法 — 誰もがもうご存知のですよね — について取り上げたものではありません。その代わりに、GDPRはさまざまな主要企業の戦略にとってどのような意味を持つのか、そしてパネリストたちがこの変化を受け入れ、マーケティング戦略をどう改善するかについて語り合う思慮深い時間となりました。
Nabilahは、パネリスト全員の成果を大きく予見させるシンプルな質問を参加者全員に投げかけました。「彼らが楽しみにしているニュースレターは何か」、この質問はすべてを包括するものでした。GDPRの施行により、コンテンツと関わり、そのコンテンツを愛する人たちのデータベースを構築する必要があります。ブランドはそうしたユーザーこそ必要とすべきであり、心が離れてしまったユーザーのデータベースに依存してはならないのです。
ニュースやスポーツなど、特定のパブリッシャーからのニュースレターがもっとも多い回答の一つでした。効果を上げているコンテンツマーケティングプログラムは、品質が高く、有益で魅力的なコンテンツパブリッシャーとしてブランドを確立できるため、この回答結果はそれほど驚くものではないでしょう。
そして、このようなコンテンツがユーザーの信頼感を引き出すのです。信頼を得ることの重要性と、GDPRがデジタル戦略において信頼を再構築させたこの機会は、午前中を通して盛り上がったテーマとなりました。
Jamieが指摘したように、ある過程でブランドがカスタマーエクスペリエンスに伴う手段を失うと、顧客もブランドに対して信頼を無くします。信頼は築き上げるものだということが忘れ去られる中で、GDPRは例外的なコンテンツでその信頼を取り戻す素晴らしい機会だと捉えることができます。
Garyは、失われた信頼を再構築するという課題は、社内でGDPRへのコンプライアンスに向き合ううえで重要な要素だと語ります。さらに同氏は、GDPRを顧客との信頼を構築する長いジャーニーの一部と見なし、コンプライアンスではなく、戦略的なイニシアチブとして組織的に検討するべきだと主張しました。
顧客データベースの効果的なセグメント化は、非常にホットなトピックです。とくに、PardotやMarketoなどの電子メールプラットフォームは効果を上げています。両パネリストは、コンテンツマーケティングにおけるコミュニケーションで価値の高いオプトインを獲得する最良の方法は、顧客セグメントとその行動を掘り下げ、それぞれのニーズに応じて訴求する方法を確立することだと強調しました。GDPR以前は、このような戦略を持たない怠惰なマーケティングが実施されているケースが頻繁にありました。ブランドは顧客ベースの適合を熟知する必要があります。
イベントのアイスブレイカー(緊張を解きほぐす)の中で浮上した人気のあるニュースレターのスタイルは、読者がすぐに内容を吸収できるように、開催中のイベントと情報が簡潔に整理されたものでした。数人の参加者は、日刊のニュースレター、The Skimm、のコンテンツが良いと意見していました。
Nabilahが言うように、GDPRの全体的なテーマは量より質を重視することです。これはコンテンツマーケティングを受信するユーザーのデータベースだけでなく、コンテンツ自体にも当てはまります。
コンテンツを受信するためにユーザーがオプトインしなければならないということは、膨大なユーザーデータベースの中の一部の人々が「開く」をクリックすることを期待して大量のコンテンツを量産しても無駄だということです。今では、かつてないほどに、ブランドはコンテンツの品質を重視することを余儀なくされています。
このように、GDPRは消費者の利益以外の理由で作成されるコンテンツを終らせるべきです。
それでも頻繁に、社内のニーズや要求に合わせて作成されたコンテンツを制作するブランドを多く目にします。顧客の立場に立って、「彼らが消費したいと思うものは何か」「彼らにとって本当に役立つものは何か」、自問する究極の機会としてGDPRを捉えましょう。
アイスブレーカーから生まれたニュースレターの最終型は、Fitbitユーザーによる週次の進捗レポートやSkyscannerが毎週発信するオファーなど、高度にパーソナライズされたコンテンツでした。また、ファッションの小売ブランドも、ユーザーにとってもっともパーソナライズされたエクスペリエンスを提供しているとしてトップに浮上しました。このタイプは、GDPRを何よりも価値を交換するものと見なす最適なレンズです。
Nabilahは、消費者はテレビやショッピングを楽しむために高度にパーソナライズされたエクスペリエンスを期待して、AmazonやNetflixなどのブランドに個人情報を委ねていると述べました。Jamieは、GDPRがブランドが支持するものは何か、訴求するオーディエンスに適した内容かといったパーパスドリブンマーケティングを重要視していると説明しました。ますます飽和する市場において、これこそ貴社ブランドを際立たせ、ブランドの提言に人々が耳を傾けたいと感じるきっかけとなるのです。
残念ながら、セッションで取り上げられたもっとも一般的なテーマの1つは、顧客の皮肉でした。FacebookやCambridge Analyticaのデータに関するスキャンダルやその他数多くのハッキング事件が原因で、消費者はブランドに対して警戒しています。パーソナライズされたコンテンツは、ユーザーの同意を求めるとともに、企業が信頼を再構築するうえで役に立ちます。
ブランドはこれまで以上に、コンテンツマーケティングとメール戦略を刷新し、コンテンツを顧客中心にセグメント化された思慮深い内容にする必要があります。この方法でコンテンツにアプローチすれば、ブランドのマーケティングに対する誠実でさわやかなアプローチを認め、より価値の高いユーザーを惹き付けることでしょう。
Cloe Fernandez Barnesは、NewsCredのロンドンオフィスに在籍するコンテンツストラテジストです。
元記事「What Did a Room Full of Marketers Have to Say about GDPR?」は2018年7月19日にInsights.newscred.comに掲載されました。
この記事は、NewsCred BlogのCloe Fernandez Barnesが執筆し、NewsCredのパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。
また、日本におけるNewsCredパブリッシャーネットワークに関してはNewsCred by amanaまでお問い合わせください。
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