車のCGアニメーションのリアリズムを高めるヒントとトリック – croobiのプロの技

3DCG mobility visuals by croobi, a 3DCG production team from amana Inc.

croobi(クロオビ)は、国内では珍しいモビリティに特化したアマナのCG制作チームです。これまで多くのテレビCMや映像広告、モビリティショーで使用される展示映像やグラフィックを制作してきました。croobiの特徴として 、自社の背景データベースを活用したワークフローの効率化、背景の世界観を構築する提案と実行、そして高品質なビジュアルアウトプットがあります。

今回は特に車のCGアニメーションについてのヒントとトリックをお届けします。動画制作において、アニメーション、特に動きは非常に重要です。モビリティ系のプロジェクトでは走行シーンが中心となるため、車の動きとカメラワークが主な要素となります。要素が少ないからこそ、 一つ一つのアニメーションの精度やクオリティが結果に大きく影響するため、croobiがどのようにこだわっているかをご紹介させてください。

車の挙動について

CGでは、ノイズの少ないきれいな物を作りがちで、地面も平坦に仕上げることが多いです。しかし、実際の道路は一見平らに見えても微妙な起伏や斜面があります。現実と同じようにCG空間で道路の微妙な起伏を再現することで、シミュレーションによって走る車の動きにリアリティを与えています。たとえば、下記の動画Aが地面の凹凸なしの動き、動画Bが凹凸ありの動きです。わかりやすいように通常より多少過剰に起伏をつけていますが、起伏が再現されている右側の方がより生き生きとしたアニメーションに見えるでしょう。

動画A:ノイズなし

動画B:ノイズあり

リアルなカメラワークの再現

CGのカメラは重さがなく、壁も自由に突き抜けるため、現実ではありえないCGっぽい映像に陥りがちです。最近ではドローン撮影があるので自由度は高まっていますが、実際の撮影では様々な制限があります。逆にその制限を加えることで、実際に撮影したようなリアルなカメラワークが可能になります。

実際の車の撮影では、スタジオ撮影であれば実車両を使うことが多いですが、屋外撮影では秘匿性や交通事情などからCGを使う場合も多いです。その中で追跡撮影といって、撮影用の並走車両にカメラを取り付け主役の車を追いかけながら撮影する方法があります。その環境をCGで再現することにより、実写で撮ったようなカメラワークを再現しています。CGを使うとどうしても単調な映像になりがちなので、こうした手法を使うことで実写特有のアナログ感や臨場感を再現することにこだわっています。

カメラカー

カメラビュー

また、CGだと迫力を出したいためにスピードを出し過ぎたり、車線を無視したりすることがありますが、法定速度を守り、車線の真ん中を走るなど交通ルールに則った映像を作ることで、リアリティを追求しています。

croobiのこれらのこだわりが、車のCGアニメーションにどのようにリアリズムをもたらしているか、ぜひ一度その作品をこちらでチェックしてみてください。

文:田野井智之  (アマナ)

動画: croobi

SOLUTION

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