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6月21日に開催されたアマナの「THE MEET UP vol.1」では、さまざまな企業からブランド担当者を中心に参加者が集い、クリエイティブ人材を育成するプログラム「amana Creative Camp」によるワークショップを実施しました。
「ブランドの未来を思考しよう」というテーマで開催された今回のワークショップでは、ブランドの定義やブランド構築のプロセスが解説されたのち、「どのような意思を持つブランドが愛されるのか」をグループごとにディスカッション。講師は、企業のブランディングや新規事業開発、人材育成など幅広いプロジェクトに参画するアマナのプロジェクトデザイナー杉山諒が務めました。
アマナが主催するリアルイベント「THE MEET UP vol.1」を締めくくる本セッションでは、アマナが手がける創造的人材育成のためのプログラム「amana Creative Camp」によるワークショップを実施。セッションの前半では、「ブランド構築の考え方とプロセス」について杉山が解説しました。
「ブランドとは何か」、という問いに対して、杉山は「ユーザーの頭の中に作られる競合と差別化された好意的な認識」であると話します。
例えば、ひとつの有名な企業名を頭の中に思い浮かべた際に浮かぶポジティブなイメージが、「ブランド」に該当します。つまり、企業側が「ユーザーにこう思ってほしい」イメージと、ユーザーが企業に対して「こう思う」イメージが一致した状態がブランド構築ができている状態であり、そのイメージを一致させていくことがブランディングであるといえます。
ブランディングを行ううえで重要となるのは、企業側が「ユーザーにどう認識してほしいか」を明確に思い描くことだと杉山は指摘します。
本セッションではワークショップを実施し、参加者とともに「どのような意思を持ったブランドが愛されるのか」を議論しました。
前述の通り、ブランドとは「好意的な認識」ですが、その本質は「意思」であると杉山は言います。ブランドが一貫した意思やこだわりを持つことで、意思がそのままブランドの行動に現れ、行動から生まれた世界観をユーザーが体験し感動することで信者となるのです。
このように、意思から行動が生まれ、世界観が出来上がり、その体験によってユーザーのブランドへの愛が深まる一連の流れについて、杉山は「アート思考を構造化しているといえる」と話します。企業やブランドが既成概念にとらわれず、「愛されるブランドとは何か」について自分軸で自由な思考をすることで、独自の意思が生まれるといいます。
本セッションでは、この「愛されるブランドとは何か」という難しいテーマを紐解く思考やディスカッションの場を用意。参加者は自身が思う「愛されるブランド像」を想起しながら、その理由やブランドが持つこだわり・意思とは何かについて、思考を深めていきます。
個人ワークのあとは、グループごとにディスカッションを行いさらに考えを深めます。グループワークによって、以下のような意見が生まれました。
あるアイドルグループの歌に「愛されるより愛したい」という歌詞があるが、「顧客を愛するブランドが愛されるのでは」というところに行きついた。今は顧客から愛されるだけでは成り立たない時代のため、顧客への愛が社会に染み出るブランドが愛されるのではないか。
「体験価値」が重視される今、商品やサービスそのものだけではなく、それを手に入れることによってどんな体験ができるのか、どんな豊かさをユーザーに届けられるのかを考えたブランドが愛されるのでは。
物が溢れている現代で、ユーザーはブランドを選ぶ際に疲れたくない、早く決めたいと思う一方、そのブランドを選んだ自分に納得したいのでは。そのため、ユーザー(顧客)を大切にしているブランドが愛されるのではないか。
自分たちの哲学や理念をしっかり持ってて、その哲学や理念をさまざまなタッチポイントで感じられるブランドがいいと考える。技術や技法は柔軟にアップデートしても、コアの部分はブレないブランドがいいのでは。
愛されるブランドとなるためにどのような意思やこだわりを持つべきか、グループによって異なる視点での議論が交わされました。
私たちは普段、日常業務の中でこのような問いに直面することはほとんどありません。ですが、「愛されるブランド像」を探していくことは多くのブランドや企業にとって根幹となる問いであり、自身のブランドや企業が目指すべき姿を見つけることにつながります。
たとえブランドのシステムやガイドラインを策定したとしても、ユーザーが求めるものでなければ、ブランディングの成功は難しいでしょう。ユーザーに愛されるブランドになるためには、企業は自社独自の優位性・価値を定め、発信していかなければなりません。
ですが、情報過多の現代ではユーザーの目の前に広がる選択肢も多く、自由な時代であると同時に、ユーザーが何かを選択することが困難になっている時代であるともいえます。
さらに、コンビニとNetflixがあれば十分過ごせるほどに環境が整ってしまっている現代では、企業やブランドが解決すべき大きな課題はすでに枯渇しており、ユーザーに提供すべき「自社独自の価値」が見つかりづらいという難題に直面しています。
次に何が世の中にとっての価値となるかが見えづらい時代である一方で、杉山は、「こういう時代だからこそ、逆説的に、強い意思を持つプロダクトやブランドが熱狂的な信者を生むのでは」と話します。
本ワークショップを通して、参加者は、自身が愛したいと思うブランドとはどのようなものか、どういった意思があるブランドにユーザーは惹かれるのかを議論し、ブランディングのための手がかりを探しました。「本ワークショップが、ご自身のブランドやこれからの企業の姿などを考えるヒントになれば」と杉山は話します。
さらに、杉山はこの問いに「正解はない」と強調したうえで、「私自身は、こだわりのあるブランド、誰になんと言われようと“価値がある”と自らが信じるブランドに惹かれる」と言います。周りに媚びず、共感も狙わずに、自身の誇りや意思を信じるブランドが結果的に愛されるブランドとなり得るのではないでしょうか。
「amana Creative Camp」は本セッションのように、クリエイティブ人材を育成するさまざまなプログラムを運営しています。クリエイティブの最前線で活躍するアマナのクリエイターが講師を務め、ビジネスの場に活かせるクリエイティブスキルを磨くお手伝いをします。
そのほか、2024年4月からは新たなソリューションとして、創造性人材を企業に提供する「Great RIVER」を立ち上げ、クリエイティブな体制構築の支援を行っています。ブランディングをはじめ、企業やブランドの創造性をさらに高めたいといった課題があれば、ぜひお問い合わせください。
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