シズル撮影で瞬殺!ビジュアルで心を掴むプロの秘訣:シズルチャンネル

シズル撮影で瞬殺!ビジュアルで心を掴むプロの秘訣

シズルで企業の課題解決!シズルのすべてをお伝えするシズルチャンネル

シズル感は、ビジュアルコミュニケーションにおいて瞬時に心を掴む要素として不可欠です。第1回でシズルの基礎を学んだ皆さん、今回は「シズル撮影」の実践的なテクニックに迫ります。シズルディレクター兼フォトグラファーの大手仁志が、30年の経験を基に、より魅力的なビジュアルを作り上げるための撮影方法を解説します。

第1回の記事:シズルで企業の課題解決!シズルのすべてをお伝えするシズルチャンネル

 

vol.2:そのシズル表現って、合ってますか?

■ シズルとは?

「おいしさを表現する際によく使われる言葉『シズル』。
前回は『シズル感とは?』というテーマでお話ししました。改めて『シズル』をおさらいすると、次のようなポイントがあります。

  • 『シズル』は、人の気持ちを動かす瞬殺スイッチ
  • 『シズル』は、すべての商品や人にも使える表現
  • 『シズル』は、魅力を伝えるスパイス
  • 『シズル感』を加えることで、ビジュアルの魅力が倍増する

このように、シズル感を使えば、商品やサービスのビジュアル表現に圧倒的な魅力を加えられます。

■目的別シズル表現の極意

今回は、伝える相手や使用する場に応じて最適なシズル表現が必要であるというお話をしたいと思います。単においしそうなシズル感のあるビジュアルを制作できたとしても、すべての目的が達成されるわけではありません。目的を達成するためには、その背景にあるさまざまな状況を考慮し、シズル表現を適用することが重要です。

「どのタイミングで使用するのか?」
「誰に伝えるのか?」

これらは非常に重要な要素です。これがズレてしまうと、効果的に伝わらないビジュアルとなってしまいます。

では、具体的にビジュアルの使用目的を整理してみましょう。

例えば、飲食店の場合、シズルビジュアルを使用する場面として次のようなケースが考えられます。

・店頭で使用するキービジュアル
・店内で使用する販促ビジュアル 
・メニューで使用するビジュアル 
・SNSで使用するビジュアル 

それぞれのビジュアルに対し、どのようなシズルポイントが求められるかを解説します。

その前に、写真には大きく2つの伝達力があります。
1つは「情報」(information)、そしてもう1つが「感性・感情」(emotion)。
この2つのバランスをいかに表現するかが、最適なシズル表現を生み出す鍵となります。

情報と感性について

■情報か感情か?

ビジュアルにおいて、情報要素が必要なのか、感情要素が必要なのかは、用途によって異なります。店頭で商品を訴求する場合、圧倒的に感情に訴えるビジュアルが重要になります。一方で、メニューで使用するビジュアルは、感情に訴えることよりも、正確な情報を伝えることが求められます。

情報要素のあるビジュアルとは、商品の形や色、サイズ感などを明確に表現し、わかりやすく商品を理解できるビジュアルのことです。
それに対して、感情要素のあるビジュアルとは、瞬間的に心を動かす力を持つビジュアルで、いわゆる「瞬殺」の表現とも呼ばれます。見た人が瞬時に心に響く、考える間もなく魅力を感じるビジュアルです。

この2種類の伝達力を、用途に合わせて適切に表現することがとても大切です。逆の表現をしてしまうと、本来の目的が達成されない可能性が高まります。そのため、企画段階から使用目的に合ったシズルプランを立てることが必要です。

■用途に沿ったシズル表現

では、この2種類の伝達力を、先ほど挙げた具体例に当てはめてみましょう。

【店頭で使用するキービジュアルの場合】
店頭では、商品の魅力を瞬間的に伝え、来店を促すことが目的です。そのため、感情要素がしっかり表現されたビジュアルが必要になります。

店頭で使用するキービジュアル例

シズルポイントとしては、ライブ感を活用し、瞬間的に商品の魅力を感じさせることが大切です。

【店内で使用する販促ビジュアルの場合】
こちらは入店後にさらに商品を訴求する役割を果たすため、感情要素が大半を占めますが、ある程度の情報要素も必要です。

店内で使用する販促ビジュアル例

シズルポイントとしては、感情要素6割、情報要素4割のバランスに設定すること。カトラリーを使用して商品に動きをつけたり、商品の中身を見せることで情報を伝えることも大切です。

【メニューで使用するビジュアル】
こちらは、商品を選ぶためのツールとして、しっかりとした情報要素が必要です。

メニューで使用するビジュアル例

シズルポイントとしては、情報を正確に伝えつつ、商品の魅力もしっかりとアピールすることが求められます。メニューには複数の商品が並ぶこともあるため、アングルやライティングを統一し、一貫性を持たせることが大切です。さらに、ビジュアル制作の継続性を保つために、撮影データの保管も必須です。

【SNSで使用するビジュアル】
こちらは、コミュニケーションツールとして様々な用途があります。状況に応じて、情報と感情のバランスが必要です。SNSのポイントは、共感できるビジュアルを作成することです。演出しすぎない表現、説明しすぎない表現が適していると思います。

SNSで使用するビジュアル例

シズルポイントとしては、消費者が共感できるビジュアルが理想です。作り込むことなく、自然なラフさを保ちながらも、シズル表現をしっかりと行うことが重要です。


飲食店のビジュアル制作を例に挙げましたが、これらのポイントを意識し、用途に合わせたシズル表現を行うことが最適だと言えるでしょう。

■折衷案は避けるべき

シズル表現のポイントを解説しましたが、最後に避けるべき点について触れておきます。それは、「折衷案を取ること」です。撮影現場では、情報要素と感情要素のどちらかに寄せるのではなく、両方の要素を均等に取り入れたビジュアルを制作しようとすることがあります。一見両方を達成できて、成功できるように思いますが、そうではありません。

感情と情報をどちらも兼ね備え、多くの用途を1つのビジュアルで表現するのは難しく、結果としてどちらの要素も完全に伝わらない残念なビジュアルになりがちです。企画段階から用途に合ったシズルプランを計画することが、成功の秘訣です。

今回は「そのシズル表現、合っていますか?」というテーマで、用途別のシズルポイントを解説しました。様々な制作条件により難しい場合もあるかもしれませんが、しっかりとシズルプランを立てることで、企業のメッセージは確実に伝わるでしょう。

ぜひ今回の内容を参考に、伝わるコミュニケーションを行ってください。

次回は「伝わるシズル表現のレシピ」についてお話します。お楽しみに!


 

シズルチャンネルとは

日常業務の会話で何気なく使われている言葉「シズル感」。なんとなくは理解しているがしっかり説明できない方も多いかと思います。そんな方々にシズル感を理解し、仕事に役立てていただければと思い、amanaINSIGHTSで『シズルチャンネル』と題して、シズルにまつわる情報発信をお伝えしていきます。

大手仁志

大手仁志
1965年栃木県生まれ。1985年にアーバンパブリシティ(現アマナ)入社、フォトグラファー・シズルディレクターとして30年間に渡り「食」に関する広告写真の撮影、ビジュアル制作に携わる。食材や料理が持つ生命力を切り取り表現することが食のフォトグラファーの使命と考え、数多くの広告賞を受賞。

文・撮影:大手仁志 (アマナ)

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amana visualでは、フォトグラファー、レタッチャー、CGクリエイター、ムービーディレクターをはじめとしたビジュアル制作に携わるクリエイターのポートフォリオや、個性にフィーチャーしたコンテンツを発信中。最新事例等も更新していきます。

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