これは、コンテンツマーケティングの統合型キャンペーンに関するNewsCredの3部編成のシリーズとなります。パート1では、コンテンツマーケティングへの統合型アプローチに向けたビジネスケースを構築しました。こちらのフォローアップ編では、コンテンツマーケター向けにキャンペーンのベストプラクティスに関するNewsCredの視点を提供いたします。次回は、「開始方法」のガイドを提供し、バイイン(承認)の取得方法、新しいチームとのコラボレーション方法、適切なプロセスの確立方法など、よくある質問にお答えします。
簡単な復習から始めましょう。パート1では、統合型キャンペーンが複数の領域において提供される戦略的マーケティングフレームワークであること、そして次の特徴についてご理解いただけたのではないでしょうか。
統合型キャンペーンを成功へと導くコツは何でしょうか。パート2では、統合型キャンペーンを構築するための6つの重要な特徴に焦点を当て、ベストプラクティスについて詳説します。これは、コンテンツマーケターのために私たちが紹介する、シームレスなオムニチャネルキャンペーンを実施することを目的とした最高のヒントです。
キャンペーンは時代を超越した、または「オールウェイズオン」であるという、一般的な誤解があります。これは公開の頻度のことであり、定期的な公開によってオーディエンスに多く再訪してもらうことは重要ですが、キャンペーン本来の目的ではありません。キャンペーンの役割とは、短時間で幅広いオーディエンスにリーチすることです。それには、より高額な投資と労力が必要であり、タイミング、テーマ、トレンド(文化的または業界主導であるかどうか)の観点から戦略的であるか、重要なブランドメッセージを伝えることができなければなりません。そのため、すべてのキャンペーンには開始日と終了日があり、それを残りのエバーグリーンの施策へ統合すべきなのです。
四半期またはその年の主要なキャンペーンを特定し、開始日と終了日が明確になっているか確認してください。定期的なキャンペーン(MasterCardの「Priceless」やLinkedInのSophisticated Marketersシリーズなど)はどうでしょう。これらは、再度公開する間に改善を加え、キャンペーンを最適化しています。主要キャンペーンはバージョンにもと付いて開始日と終了日を設定してください。
マーケティングキャンペーンブリーフは、統合型キャンペーンで過小評価されがちですが、必要不可欠なツールの1つです。弊社では、統合型キャンペーンの基盤として、キャンペーンのプランニングを成功させる重要な要素だと考えています。その理由は、優れたキャンペーンブリーフは、キャンペーンのライフサイクルに透明性と可視性をもたらすだけでなく、ガバナンスを強化し、利害関係者に説明責任を負わせるためのツールとしても機能するからです。マーケティングキャンペーンのブリーフ(クリエイティブブリーフやコンテンツブリーフとは混同しないでください)は、目的/目標、ターゲットオーディエンス、ブランドガイドライン、チーム、予算の詳細、そして測定に関する重要な詳細をカバーしながら、簡潔であるようにうまくバランスを取る必要があります 。
キャンペーンブリーフの作成作業に嫌悪感を抱かないでください。適切に作成されたブリーフは、キャンペーンプロセスを急速に発展させます。統合型キャンペーンの計画準備を整え、更には一度完成して拡散されると、誰もが迅速で明確に行動する助けとなるからです。キャンペーンブリーフは、多くの場合、より質の高いキャンペーンへとつなげます。チームを調整してフォーカスさせるための頼みの綱として機能し、説明責任の明確な証跡を提供し、組織が事前に決定された目標とKPIに対してキャンペーンパフォーマンスが評価できるようになります。
Content Marketing Institute(CMI)によると、タクソノミーを用いているのはコンテンツマーケティング組織のわずか14%です。タクソノミー(コンテンツ管理システムの場合)は、コンテンツが作成され、タグ付けされ、多機能組織がアクセス可能な階層構造を決定する普遍的な言語、ラベル付けおよび分類システムです。コンテンツタクソノミーは、キャンペーンにおいて多くの目的を果たします。実行作業を、ピラー、テーマ、ペルソナ、ジャーニーのステージなど、コンテンツ戦略の要素に同調させましょう。コンテンツのアセットにタグ付けすると、アナリティクスを細かく切り分け、より深いインサイトをもたらし、コンテンツやキャンペーンのプランニングに役立てることができるのです。
メタタグ戦略のもう1つの利点は、堅牢なコンテンツライブラリと組み合わせたときに、コンテンツをすぐに見つけて再利用できるようにし、重複を防ぎ、コンテンツの活用を促進します。さらに、AIツールと一緒に使用すれば、タクソノミーが特定の瞬間やペルソナをターゲットにしてキャンペーンのパフォーマンスを向上させ、推奨事項および/またはパーソナライゼーションを通じてより有意義なインタラクションを作成できるようになります。可能であれば、このベストプラクティスを活用して、キャンペーンとその周辺のコンテンツに一貫したタグ付けが行われているかを確認してください。
組織のすべてのレベルでキャンペーンの可視性を提供してください。これにより、人々は迅速な意思決定を行い、コンテンツの混乱を緩和し、仕事の増加を防ぎます。しかし、成長の促進、透明性の維持、迅速な実行等、皆が同じ共通の課題を抱えてはいますが、誰もが同じ情報要件を抱えているわけではありません。
多くのマーケティングリーダーは、運用効率を高め、ビジネスにプラスの影響を与え、組織が正しい方向性に向かって進んでいることを確認するために、主要なキャンペーンイニシアチブ、タイムライン、承認、予算、リソース、そしてパフォーマンスを把握する必要があります。一方で、チャネルのオーナーとコンテンツクリエーターは、キャンペーンが効果的かつ正確で時間どおりに実施されるよう、ワークフローと制作の戦術的要素に関する詳細が必要な場合があります。
キャンペーンの可視性を提供できれば、マーケティングイニシアチブの概要を必要な人たちに提供し、特定の利害関係者に粒度の細かい見解を提供できます。これにより、アドホックな作業依頼に対する応答と既存のキャンペーンの最適化に対し、ある程度のアジリティ(敏捷性)が可能になります。
どのキャンペーンも、ビジネスの促進に結び付くものでなければなりません。明確な目的を持つことは、どの活動を施策とリソースに当てるべきかを入念に吟味する助けとなり、キャンペーンのパフォーマンスを管理する際に役立ちます。
成功する統合型マーケティングキャンペーンは、フルファネルアプローチに沿ったものです。これは、マーケターに適切なチャネルを選択し、関連するKPIをキャンペーンに割り当てる機会を与えます。マーケターは、ファネルの段階(認知、検討、決定)ごとに、アプローチ、クリエイティブ、そしてチャネルをカスタマイズしてください。たとえば、トップオブファネルにおけるキャンペーンの役割は、認知度、顕著性を高め、新しい見込み客の流れを発展させ、時間の経過とともにビジネスやブランドを成長させることです(例: P&GのAlways「Like a Girl」キャンペーン)。ボトムオフファネルを訴求するキャンペーン(例: Coca Colaの#ShareACokeキャンペーン)の目標は、見込み客に影響を与え、希望するアクションを実行させることです。ファネルの複数の段階を訴求するキャンペーン(例: ブランドを構築し、人材獲得を促進したGEの#BalancetheEquationキャンペーン)や、リテンションに焦点を当てたキャンペーン(AppleのThere’s More to iPhoneキャンペーンは、スマートフォンのトップブランドとしての地位を維持する役割を果たす役目を果たしました)もあります。各段階におけるキャンペーンの役割を理解することで、マーケターはパフォーマンス値を管理し、キャンペーンが全体的なビジネス目標のどの位置に適合するかを判断できるのです。
私たちが説明するキャンペーンとは、統合型キャンペーンのことを指します。つまり、オムニチャネルアプローチを取り入れるということです。単なるバズワード(流行語)として片付ける前に、耳を傾けてください。マーケティングにおけるオムニチャネルアプローチとは、ブランドがキャンペーンすべてのチャネルにわたって一貫性のあるエクスペリエンスを顧客に提供することを指します(キーワードはシームレスです)。これぞ、統合型キャンペーンの成功をもたらす真のマーケターのなせる技です。顧客がさまざまなプラットフォームでブランドと関わりを持つことができるマルチチャネルと混同されることがよくありますが、それは大きな間違いです。そのエクスペリエンスが必ずしも一貫性のあるものであるとは限りません。
個別のエンティティとしてではなく、カスタマージャーニー(およびチャネル)を全体として捉えましょう。つまり、各チャネルの目的と可能性、およびそれらがどのように組み合わされているかを理解するということです。チャネルを選択する際は量よりも質を重視ください。チャネルへの投資には、70:20:10のアプローチを取ることをお勧めします。ターゲットオーディエンスを考慮し、予算の70%を成功に近いチャネルに、20%を潜在性のあるチャネルに、そして10%を不確実要素に投資することです。
最後に、マーケティングはサイエンスでありアートでもあり、クリエイティビティと関連性が増幅をもたらす最良のパートナーになることを忘れないでください。また、屋外広告とAIソフトウェア、そして従来のPR戦術を融合させた、New Balanceによる最近の#BeTheExceptionキャンペーンのような、革新的なオフラインとデジタルの例も一部には存在します。
Gartnerは、同社のMarketing Symposium 2019で、マーケティング担当役員が時間の25%を計画に費やす一方で、その半分以上が無駄になっていると報告しました。ただし、キャンペーンのプランニングと実行に関してベストプラクティスが確実に採用されていることを確認することにより、これを改善することができます。
それでは、次の統合型キャンペーンを開始する前に、次のチェックリストを使用してみてください。
統合型キャンペーン向けのビジネスケースを構築する必要がある方は、本シリーズのパート1をご確認ください。
そして、統合型キャンペーンを計画方法および実行方法を学ぶ準備が整っている場合には、弊社の次回のウェビナーにご登録ください。
元記事「6 Campaign Best Practices for Content Marketers (Part 2 of 3)」は2019年6月6日にInsights.newscred.comに掲載されました。
この記事は、NewsCred BlogのLieu Phamが執筆し、Industry Diveのパブリッシャー・ネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまでお願いいたします。
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