「The past is a foreign country; they do things differently there.
(過去は異国だ。そこでは異なる方法で物事が行われる。)」 – L. P. Hartley
この言葉は、これまでのブランド体験にも当てはまるのではないでしょうか。イベント会場での洗練されたブース、既存客を拡大するために開催される年1度の屋外イベント、ニュースレター。今まではこれらすべてに大きな価値がありましたが、今では過去の産物です。時代は変化を遂げつつあり、今日、優れたブランド体験とされるのは、ライブイベント、バーチャルおよび拡張現実による展示、ソーシャルメディアなどです。
あなたのブランドは、人々が置き去りにする販促用のペンではありません。壁紙に利用され、写真で共有され、DNAに組み込まれるものです。私たちは、Tシャツの抽選に応募したいかどうかを参加者に尋ねながら、箱に詰めた配布用シールと一緒にレセプションテーブルに座っているわけではありません。オーディエンスを自社ブランドに没頭させ、ポジティブな印象と反応を抱いてもらう方法を示さなければならないのです。
世界的に認められたブランドエクスペリエンス企業、FreemanのCMOであるChris Cavanaughは、次のように述べています。「巧妙に仕組まれたブランドエクスペリエンスは、新しい考え方を刺激し、有意義な方法で人々を結び付け、他のメディアとは異なった方法でオーディエンスを動かし、結果的に成果を生み出します。結局のところ、どのようなメディアの施策も、オーディエンスをより先に、より速く動かす力の方が重要であり、ブランド体験は人を惹きつけそれを実行します」。
マーケターは、誰かにギフトを贈ったり、策略を仕掛けたりするのではなく、自社ブランドにしかできない方法で人々をつなぐコミュニティに引き込むことへ焦点を当てるべきです。それは、志を同じくする人々とつながること、またはブランドの周りに信頼感と快適さを生み出すことでもたらされるかもしれません。
それに加え、各消費者が自分のために作られた仮想宇宙の中心にいると感じられるようにしましょう。顧客を喜ばせて、消費者が真の共感をいただき、同じブランドのエコシステムに属する他の人たちに自分の経験を共有する機動力を与えるような状況を作ってください。
最近、ラップアーティストのTravis Scottが、その年一番のライブミュージックイベントと称されているイベントに参加しました。信じ難いことに、それはオンラインビデオゲーム、Fortniteで行われた10分間のセットでした。何百万人もの人々がそのイベントを視聴し、その後、彼は Twitterにこう投稿しています。「本当に、今日はもっとも刺激的な日でした。あなたたち一人ひとりを愛しています。そして、今は大変なときだとわかっていますが、どこにいようとも、『ragers(意訳: 怒り狂えし者)』たちが猛威を振るえる一時を過ごせるのは素晴らしいことです」。
「ragers」が何を意味するのかは想像することしかできませんが、要は即座に手を差し伸べ、多くの人々と触れ合えたことで、このアーティストは刺激を受け、興奮し、喜んでいるということです。オーディエンスの立場から見ると、グローバルなロックダウンの影響を受けずに、1,200万人がゲーム内で視聴し、その他数百万人がYouTubeやTwitch等のプラットフォームからストリーミング視聴していました。誰もが100万人に1人の存在であるかのように感じられたと言う表現では表しきれません。オーディエンス一人ひとりにとって、自分のスクリーン上の、自分たちだけのためのコンサートだったのです。
Fortniteの開発者であるEpic Gamesは、創造性、ハードワーク、そしてプレイヤーに対する真の情熱において、“期待以上”を提供している人物です。ファンは時間に余裕をもって参加することを促され、数百万人がキックオフを待つ仮想ステージに集結しました。2曲が流れた後に仮想ステージが爆発し、Travis Scottが巨人になり、ゲームの背景を歩き周り、何百万人もの人たちがそれに追随したのです。個人やゲーマーの目の前で繰り広げられた信じがたいような光景には、空中で振ることができる仮想「マイク」まで用意されていたのです。
この恩恵を受けることができなかったのは、今年一番の音楽イベントに期待すべき要素が盛り込まれていたにもかかわらず、参加しなかった人たちです。実際に、このイベントは非常に強力で思い出に残るブランド体験であり、世代を代表するマーケティングイベントになったかもしれないと一部の人たちは述べています。
もちろん、このようなイベントがすべてのセクターに当てはまるわけではありませんが、ブランド価値を高めることに間違いはありません。Fortniteのプレイヤーたちは、ユニークで眼を見張る体験を共有しました。忘れられない経験であり、ブランド名の入った販促ペンより勝るものです。
マーケターは、ユーザーを満足させるために、技術、創造性、データ、そして多様性を受け入れてください。そうでなければ、取り残されてしまうでしょう。クリエイティブチームが才能を最大限に発揮できるように、最高の技術を揃えてください。(たとえば、最大2,000万人の目の前であなたの仮想風景の中を歩き回る巨人化したラップスターを生み出すなど)。技術はストーリーテリングの媒体だと考えるべきであり、ストーリーはユーザーに触れ、ユーザーと調和するものでなければなりません。
このような経験をもとに得られたデータは、今までとは比べ物にならないほど価値があります。参加者に次の段階へ進む方法を導き、彼らが望むものや必要なものを理解していることを示し、快適さと信頼感を生み出してください。
多様性を持つこと。あのすごいゲームとTravis Scottが10分の間に引き合わせた、経歴、年齢層、人種・民族など、考え得るすべての人口統計学的パラメーターを考えてみてください。
世界的なラップスターは約束できませんし、世界的なラップスターから万人受するラップスターに変える保証もできませんが、私たちが技術、創造性、顧客を真に理解し、耳を傾けていることは確かです。顧客向けの体験を作成することの利点に興味のある方、ご質問等は、www.appetitecreative.comまでお気軽にお問い合わせください。
Jenny Stanleyは、Appetite Creative Solutionsの創設者兼マネージングディレクターです。
この記事は、The Drumを通じてJenny Stanleyが執筆し、NewsCredのパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。
元記事「Why branded experiences get you better results」は2020年5月27日にInsights.newscred.comに掲載されました。
この記事は、NewsCred BlogのVictoria Goldenが執筆し、NewsCredのパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。
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