MQLを顧客へと成長させる効果的な7つの顧客育成テクニック

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目次:


見込み顧客の開拓は難しいですが、そこで止まってしまっては元も子もありません。顧客育成は興味レベルから購買レベルへと導く手助けになります。

世界的IT企業であるOracle社は、「顧客育成」を購入に至っていない見込み顧客をステージアップさせるプロセスだと定義します。デマンドジェネレーションレポートによれば、

顧客育成プログラムをうまく導入した企業では、販売機会が(平均で)20%増加

という結果が出ています。顧客育成をデートのようなものだと考えると、イメージしやすいかもしれません。誰だって主導権を握られるのは好きではありませんし、アフターフォローが結果を大きく左右します。

顧客育成では「タイミングがすべて」な理由

見込み顧客になってすぐのユーザーにとって、まずそのブランドが思い浮かびやすいため、彼らの好奇心を育み、信頼関係を築くことが重要です。時間が経つにつれて、ブランドの印象は薄れ、かつての衝動は徐々に弱まっていきます。BOLD CEOの創始者であるBrian Cristianoは「時間が販売取引を一番ダメにしている」と主張します。

見込み顧客がソリューションを検討する時間が長ければ長いほど、離れていく可能性が高まります。このソリューションが本当に必要なのか、競合他社のソリューションの方が良いのではないかと考え始めるかもしれません。

見込み顧客にアプローチするタイミングや頻度に気を配ることで、コンバージョンの可能性が高まります。また、見込み顧客がより本格的に検討する気になるまで、たとえ一定の距離があっても関心を引き続けることもできます。

顧客育成キャンペーンを最適化する方法

キャンペーンを確実に見てもらうために、最適化の方法について説明しましょう。

見込み顧客にリードスコアをつける。リードスコアリングは、見込み顧客の行動に基づいて評価をつけ、最も有望な見込み顧客に集中してコンバージョンを増やすのに役立ちます。

コンテンツのパーソナライズ化。マーケターの10人中9人が、パーソナライズ化は全体的なビジネス戦略にとって不可欠だと考えており、10人に8人の顧客がパーソナライズ化された体験を提供する企業から購入する可能性が高いとしています。

マーケティングオートメーション(MA)の有効化。マーケティングオートメーションツールは、繰り返し行われるタスク(リードスコアの調整、メール配信、フォームへの回答、SNS投稿)を自動化します。一貫性のあるメッセージを一斉発信することで、顧客育成を効率化させます。

データの追跡。見込み顧客のエンゲージメント、コンバージョン率、その他の指標に関する自動レポートを作成し、顧客育成キャンペーンの効果を追跡します。しかしここで重要なのは、そのデータを集めて終わりにするのではなく、データを分析し、その上でキャンペーンを調整することです。

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では、売上を伸ばすために有効な顧客育成テクニックとは、どういうものでしょうか?さっそく見ていきましょう。

新規見込み顧客へのスピーディーなアプローチ

ウェルカムメールの平均開封率は63.91%であり、業界別の平均メール開封率(34%)のほぼ2倍です。登録後すぐに送信されるよう自動化することで、ウェルカムメールを最大限活用しましょう(タイミングがすべてであることを忘れずに)。充実したコンテンツや関連資料とともに、バリューポジションをメールで伝えるようにすることで、見込み顧客の興味を引きつけましょう。また、魅力的なCTAも忘れずに盛り込んでください。

事例

例えば、不眠症の改善に役立つアプリの広告を目にしたとしましょう。あなたは、詳細を知るためにランディングページから新規登録を行い、この新しいアプリがどのように睡眠を改善できるのか、必死に情報を得ようとします。

その2日後に「今すぐ登録を」とアプリの機能一覧のメールが届くのを想像してみてください。機械的な内容に、がっかりした気分になります。

📧関連コンテンツ:デマンドジェネレーションマーケ担当者向け|2024年版メールマーケティングの必勝ガイド

では、代わりにこのようなメールが届いたらどうでしょうか。寝具メーカーのCasper社の例では、ユーザーが参加できる「安眠100万人隊」というコミュニティを形成しています。コミュニティの参加ページでは「but not too bright, it’s bedtime after all(明るくしすぎないで、だって寝る時間だから)」とユーザーのペインポイントを理解していることを示し、「let’s get sleepy(さあ、眠くなりましょう)」と安眠につながるソリューションを約束するなど、見込み顧客を離さない工夫をしています。



オーディエンスのセグメント化

顧客育成を、デートのようなものだと考えるところに戻りましょう。あなたは、何が好きで何が嫌いなのかなど、見込み顧客のことを知りたいと思っていると仮定します。そうすることで、アプローチ方法が分かってきます。

見込み顧客は全員が同じではありません。行動、静的な属性、購入までのプロセスなどの各要素に基づいて、見込み顧客を個別のグループに分けましょう。それぞれのセグメントのニーズや関心に合わせて育成施策をカスタマイズすることができます。

例えば見込み顧客が、ビーチバカンスで準備する物についての有益なブログ記事を読んでいるなら、最高のスキー旅行先についてのコンテンツを提供するのは意味がありません。相手の時間も自分の時間も無駄にしてしまいます。見込み顧客の行動に応じて、顧客育成のメールの配信順からSNS広告まで関連するコンテンツを提供できるように、見込み顧客をセグメント化しましょう。

事例

このApple社からのメールは、相手に直接語りかけながら、新製品を見事に伝えている一例です。このメールの読者は、おそらく過去にApple Watchを購入したことがあるか、Apple Watchに興味を示しているか、あるいはウェルネス志向のコンテンツに興味がある方でしょう。メールでは、下取りサービスについても提案しているため、現在Apple Watchを持っている人は、最新機種にシームレスにアップグレードすることができます。このセグメントに当てはまる人にとって、このメッセージが響くように完璧に設計されています。


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テキストを作り込む

63.91%のメール開封率は素晴らしいですが、それがほぼ100%だったらどうでしょうか?SMSマーケティングでは、開封率は最大98%にまで上ります。一部のブランドは、見込み顧客に敬遠されることを不安視していますが、消費者の75%は配信許可設定後であればブランドからのSMSメッセージを受け取ることに抵抗がないというデータがあります。

テキストは、電話、メール、Facebookよりも209%高い反応率を示しています。

事例

ビジネステキスト作成プラットフォームのHeymarket社が提案する例は、どれも素晴らしいものばかりです。以下の3つのSMS例は、タイムリーと思わせたり、専門性を感じさせてくれたり、特別感を味わわせたりするものです。

タイムリーなサポート:こんにちは、○○さん、ハッピーハロウィン!Corner Groceryです。お菓子はまだありますし、おかわりが必要なら夜9時まで営業しています。配信を停止するにはSTOPと返信してください。

専門的なヒントの提供:こんにちは、○○さん、Dina’s Nurseryです。今年の冬は、寒さに弱い植物を室内に入れるのをお忘れなく!お気に入りの植物を室内に入れた方がいいのかどうか、アドバイスが必要ならご連絡ください。配信を停止するにはSTOPと返信してください。

新製品の紹介:こんにちは、○○さん、People Streamです。新しいインターフェースをリリースしました。メールマガジン購読者の方は誰よりも早くチェックできます。リンクはこちら。ご感想をお聞かせください!配信を停止するにはSTOPと返信してください。

見込み顧客への報酬プログラム

コンテンツにアクセスしてくれたお礼として、限定割引や限定オファーをメールで送りましょう。リードスコアに応じてオファーをカスタマイズすると、さらに効果的です。スコアが高ければ高いほど、より良いオファーを用意します。

2024年のレポートによると、アメリカの成人の77%がメールでオンラインクーポンの受け取りを好むのに対して、SMS(31%)、モバイルアプリ(30%)、ダイレクトメール(19%)という結果です。

事例

このMcDonaldの例では、双方向性や好奇心がエンゲージメントを誘発しています。短く、シンプルで感じがよく、見込み顧客が得をした気分になるでしょう。

人々がメールをチェックするのに費やす時間は、平均してわずか9秒です。

この統計から考えると、オファーは明確に、手短にしましょう。



営業とマーケティング間でメッセージの連携をする

リードジェネレーションマーケティングは団体競技であり、営業もこちらのチームに加わってほしいところです。団体競技に勝つためには、それぞれ果たすべき役割があり、バラバラに働くのではなく協力し合わなければなりません。この2つのチームがうまく調和することで、潜在顧客にシームレスな体験を提供することができます。

例えば、同じ日に営業とマーケティングから相反する情報を受け取った場合、見込み顧客がどんな戸惑いを感じるか想像してみてください。このような事態を避ける一つの方法は、営業部門とマーケティング部門の間で定期的にコミュニケーションを取ることです。戦略ドキュメントであれ、新製品の発売であれ、近々開催されるブランドのイベントであれ、大規模なプロジェクトの場合はなおさらです。

これは、FAQ、メールのテンプレート、エレベーターピッチ(エレベーター内で行えるような短時間のプレゼン)などの営業戦略ドキュメントのような形でも構いません。こうしたリソースは、営業担当者にとって貴重なツールであり、見込み顧客と効果的に関わるために必要な情報やアセットを備えています。

事例

Revenue社は、営業とマーケティングの連携の重要性を提唱する、営業担当者向けプラットフォームです。「成功事例ガイド」を読めば、営業担当者が自社のコンテンツをどのように活用して、取引を成立させればよいかが分かります。このガイドでは、見込み顧客に伝えるメッセージのタイプについて一切の迷いがなく、営業チームと他のマーケティングチームとの連携が図られています。



創意工夫で自社オリジナルのデータを集める

デートと同様に、顧客育成は一方通行ではありません。あなたは、見込み顧客のことを知りたいと思うはずです。さらに、彼らを知っていくことで、現代のマーケティングにおいてますます重要になっているファーストパーティーデータを集めることができます。これは、アンケートや営業電話、クイズ、ウェビナーでのQ&Aを通じて収集することが可能です。

📊関連コンテンツ(英語):A Cookieless World: 7 Ways to Get First-Party Data for Targeting & Personalization

事例

Skillshare社の模範的な例があります。Skillshare社は、クリエイター向けのオンライン学習コミュニティを提供しており、クイズを使って見込み顧客の情報を収集し、よりカスタマイズされたコンテンツを提案しています。パーソナライズ化の力を知るという点で、これは賢い戦略です。


見込み顧客と再びつながる

Webページを訪問したほぼ全員、97%近くが、初めての訪問では購入に至りません。しかし、彼らを再び引きつける方法はいくつか考えられます。まずは、リターゲティングとリマーケティングの違いを確認しておきましょう。

リマーケティングとは、以前Webサイトやブランドと何らかの形で接触したことのあるユーザーと、場所を問わず再びつながることです。

・リターゲティングとは、Webサイトを訪問した(一方、購入や望ましい行動を完了することなく離脱した)ユーザーを、オンライン広告を通じて再度関わることです。

事例

こちらは、HubSpot社によるリターゲティングソーシャル広告の例です。HubSpot社はCRMやマーケティング、営業、カスタマーサービスを提供するソフトウェア企業であり、この広告が素晴らしいのは、購入の必要はなくても、HubSpotを利用することで得られるものを見込み顧客に事前に見せ、信頼を築いている点です。

👍関連コンテンツ(英語):Advertise On LinkedIn Like A Pro: Strategies + Tactics From a LinkedIn Expert

上記のすべてを活用する

マルチチャネルを活用したアプローチとは、見込み顧客とのつながりを確認するために、あらゆることを少しずつ試してみることを意味しています。さまざまなコミュニケーションチャネルを通じて見込み顧客と関わることで、アプローチの可能性を高め、メッセージを強化することができます。

人それぞれ好みが異なることを考えると、複数のチャネルを活用することで見込み顧客が最もアクティブで反応が良い場所で出会うことができます。また、マルチチャネルを活用したアプローチは、あらゆるタッチポイント(顧客接点)で一貫してまとまりのあるブランド体験をもたらし、ブランドの信頼と信用をさらに高めます

この記事は、SpringboardのSonya Matejkoが執筆し、Industry DiveがDiveMarketplaceを通じてライセンスを取得したものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまでお願いいたします。

元記事「From MQL to Customer: 7 Most-Effective Lead Nurture Tactics」は2024年4月15日にstudioID’s insights blog – springboardに掲載されました。

また、日本におけるIndustryDiveパブリッシャーネットワークに関してはamana Content Marketingまでお問い合わせください。

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