アパレルCGでリアルな質感表現を実現。高品質なビジュアルでブランド力を強化する方法

アパレル業界における商品ビジュアルのクオリティは、ブランドイメージを左右する重要な要素です。アマナでは、リアルな生地の質感を追求したアパレルCG制作に取り組み、クロスシミュレーション技術を活用することで、リアルなシワや風合いまで再現する高品質なビジュアルを提供しています。この記事では、そのこだわりと効率化を両立させた制作手法について解説します。

クロスシミュレーションを使ったアパレルCG制作

アマナでは、あらゆる製品を3DCGでビジュアライズし、そのビジュアルはリアルな表現として高く評価されています。柔らかな布地で作られた衣服も、アパレルCGシミュレーターソフトを使用することで、リアルなシワや質感を再現した3Dモデリングが可能です。

このアパレルCGソフトでは、布地を平面として設定し、型紙の形状に合わせて2Dパターンを作成します。その後、実際の縫製と同様に縫い合わせて、3Dマネキンに着せることで服の形状が立体的に再現されます。また、布地の厚みや重量、柔らかさ、重力などの物性をシミュレーションすることで、よりリアルな衣服の表現が可能になります。

有機的な質感を持つ衣服CGの課題

しかし、布地で作られた衣服は常に不定形で、動きに応じて表情が変化します。そのため、どれだけ正確に作成しても、わずかな違和感や物足りなさを覚えることがあります。特に、ニュアンスや風合いといった曖昧で捉えにくい質感が、重要な要素となってくるのです。

左：正確に生成された生地テクスチャ。右：設計通りの仕上がり。

リアルなCG表現にノイズを加える

製品CGをフォトリアリスティックに表現するための正確な手法に基づきながら、柔らかな布製品特有の微妙なニュアンスを加えるために、意図的にノイズのようなディテールを取り入れています。このアプローチによって、CG特有の「つるんとした」無機質な印象を軽減し、風合いや素材感を持つリアリスティックな表現を実現しています。

左：風合いを持つ皺のマップデータ。右：ノイズを付与されたレンダリングデータ。

コストと工数の効率化

こうしたこだわりを持つアパレルCGコンテンツを、効率的に多様なバリエーションで制作するため、制作手法の自動化を進めています。この取り組みにより、制作時間やコストを削減しつつも、高品質なアパレルCGの提供を実現しています。

詳細はこちら「NTTデータとアマナの新プロジェクト「パーソナライズド・ビジュアルコミュニケーション」で新たな顧客体験の実現へ」

文・3DCG画像：張替誠（アマナ／CGスーパーバイザー）
アマナ入社後、レタッチャーとしてキャリアをスタート。その後、フォトスキャン技術を活用したバーチャルアバターの開発や、アパレルCG制作に従事。現在は、これらの技術を用いて、高品質で効率的なビジュアルコンテンツ制作手法の確立に注力しています。

こちらの記事もおすすめ：
✓企業広告やコミュニケーションツールに役立つ、人物CG「デジタルヒューマン」。メタバース時代の新家族像
✓企業コミュニケーションに変革をもたらす「デジタルヒューマン」活用法