アイディエーションの飛躍に、ビジュアルの力

vol.75

アイデアを可視化し、共創を生み出す 「あらたな事業を創造するビジュアルワークショップ」

SPEAKER スピーカー
  • 堀口高士 (株式会社アマナ/イメージングディレクター・ビジュアルコラボレーター)
  • コンスタンス・リカ (株式会社アマナ/イメージングディレクター・ビジュアルコラボレーター)
  • 丸岡和世 (株式会社アマナ/イメージングディレクター・ビジュアルコラボレーター)

新しい事業や体験を生み出すような、答えのないプロジェクトで、ビジュアルには、複雑な考えをまとめ、人を巻き込み、アイデアをかたちにする共通言語としての側面があります。

アイディエーションを促進し、共創を活性化させるクリエイターの手法をビジネスパーソンに体験してもらいました。

プロジェクトのよくある悩みを解決へ

未来が予測できない今、ビジネスにおいて新しい価値を生み出す手段として期待されているのが多様なメンバーによる発想(アイデア)のコラボレーションです。

しかし、答えのないプロジェクトでは、複雑な考えをまとめられない、他の人を巻き込めない、アイデアをうまくかたちにできない、といった悩みはよくあることです。

プロジェクトのよくある悩み


コミュニケーション変革をクリエイティブで実現するアマナでは、異なる分野の専門家が力を合わせてひとつのクリエイティブを創り上げる際、ビジュアルを共通言語として活用することがあります。イメージを共有することで、それぞれが創造力を存分に発揮できる状態を作るためです。

人が受ける情報の8割以上が視覚からといわれています。この性質によって、ビジュアルはプロジェクトの進行において、いくつかの役割を果たします。コミュニケーションの土台を作る、気づきを生む、妄想を飛躍させる、内容を捉えて整理する、共通認識を作るなどです。

ビジュアルの役割


例えば、誰も見たことのない未来を想像するとき。話し合っていることが噛み合わない、自分の考えが相手に伝わっていない、合意された遠い未来が認識されていない場合に、ビジュアルで伝え、お互いに理解することができます。

また、デザインシンキングの各フェーズにもビジュアルが役立ちます。コミュニケーションの土台を作ることで共感を生み、問題定義を可視化して、創造を飛躍させ、共通認識のもとにプロトタイプの作成・テストを進めることができます。

スライド画像


このように、ビジュアルを活用して共創を促進する手法が、「ビジュアルファシリテーション」です。発想や議論を可視化することで、モヤモヤの正体がわかり、同じモヤモヤを人が共感して、可能性を共に発見できるのです。

今回、アマナのクリエイティブチーム「EVOKE(イヴォーク)」が中心となって、ビジネスパーソンに「ビジュアルファシリテーション」を体験してもらうCreative Campを開催しました。

アイディエーションをより創造的にする

「ビジュアルファシリテーションキャンプ」は、オンラインホワイトボード「miro」を会場にフルリモート環境で行われました。各チームにアマナから2名のファシリテーターが付き、うち1名はビジュアルレコーディングを兼任します。参加者は各自のアバターを使って各チームのキャンプ地へ入りました。

それぞれのアバターを動かし、「miro」を体験

それぞれのアバターを動かし、「miro」を体験

まずは写真を使ったウォーミングアップです。ここでは、ビジュアルから「気づきを生む」体験をします。キャンプ地に用意された3枚の写真を見て感じたことを、できるだけたくさん、付箋に書き出して貼っていきます。最初は写真を見たままの単語が多く出されましたが、ファシリテーターの「気持ちや感情、誰といるかを想像してみると違う視点が出てくるかもしれません」との声がけで、独創的なワードが増え始めました。写真の見方は人の数だけあります。自分の見方との違いに着眼することで、その人をより深く知ることにもつながります。

それぞれ思い付いたことを付箋に入力。「miro」上でワークショップが進んでいきます。

それぞれ思い付いたことを付箋に入力。「miro」上でワークショップが進んでいきます。

場の空気が暖まったところで、ブレインストーミングに入ります。テーマは「初対面のメンバーが100倍仲良くなる方法を考える」です。

アイデアの発散から収束まで、今回は3ステップで進めていきます。

まずは思いつくままにアイデアを書き出すことから。ランチ、カラオケなどは一般的なアイデアですが、初対面で100倍仲良くなるには弱いかもしれません。ファシリテーターが「自身がビジネスで実際にやっていることや、食べておいしかったものを共有するなどでもいいと思います」と投げかけると、メンバーから次々とアイデアが出てきました。キャッチーなアイデアにイラストをつけていくと、各メンバーの発想が一目でわかります。早くもこの段階で、お互いの個性を知る、失敗を共有する、一緒にひとつのことをする、などの方向性が見えてきました。

初対面で100倍仲良くなる方法


次のステップでは発想を飛躍させ、チームの限界を高めていきます。いいアイデアは組み合わせ(掛け算)です。他のアイデアから連想したり、写真や絵からヒントを得ることで、さらに発想を膨らませることができます。ここで、ビジュアルを活用します。例えば、「壮大」「危険」「楽しい」の3つの写真群を見て、チームがこのような場面に遭遇したらと仮定して想像をはたらかせます。

写真からヒントを得よう


ワーク中、ファシリテーターが「答えは作るんじゃなくて探す」というメッセージを、森の中で人が探し物をする写真が貼られ、アイデアの出し方を再確認することができました。他の人アイデアも含めてこままでよかったものについてコメントに合わせて、アイデアのイメージ写真も共有されると、収束に向けたストーリーが見いだされました

最後にアイデアの整理・収束です。ファシリテーターが、これまで出されたアイデアの中で面白いと思うものを問いかけると、「吊り橋を一緒にわたる」の疑似体験がホットワードに。ボードに吊り橋の絵が貼られ、そこから、みんなでひとつのものを作ると結束が生まれ、初対面で何かをするには強制が必要など、瞬時に共通理解が得られ、議論が進んでいきました。

リアルタイムでイラストが追加されていきます。

リアルタイムでイラストが追加されていきます。

ビジュアルの力で共創を生む

思いつきの断片的なアイデアは、整理して可視化すると伝えやすくなり、伝えられて理解した人から思いつきが生まれ、磨かれていきます。今回のキャンプでも、楽しさと共感が得られる面白いアイデアが、各チームから発表されました。

例えば、ホワイトボード上でアイデアを「相手を知る/体験」に分類する過程で、さらに「食べ物」によるつながりを見い出して議論を重ねたチームもあれば、「一緒にやりたいこと/やりたくないこと」は紙一重という気づきから、アイデアを収束させたチームもあります。

また、最初のほうに出された「サウナ」に「危険」なアイデアを組み合わせて、エクストリームな体験に発展させていくチームもあれば、イメージ写真で妄想を膨らませて映画のように壮大な遊びを提案したチームもありました。

TEAM FOX'S BEST IDEAS
TEAM OWL'S BEST IDEAS


キャンプの参加者からは、「楽しくアイデアを発散できた」や「似顔絵のアバターやイラスト、ワークシートのデザインに没入感があった」などの声が聞かれ、多くの人がアイディエーションに楽しさを感じたようです。また、各チームにビジュアルアーティストが付き、その場でイラストを描き起こす体験にも感嘆の声があがりました。

ブレストにおけるビジュアルの効果について参加者からは、「社内でのアイディエーションはいつも発想の飛躍に難しさを感じていたので、ビジュアルから発想する方法は大変参考になった」や「ビジュアルによって意思共有がされやすかった」、「ビジュアルを使ってラフにコミュニケーションが取れ、簡単なところから発想を膨らませて組み立てられる体験が新鮮だった」との声が。「ワークショップ設計の参考になる」や「新しいコミュニケーションの取り方が生まれそう」という運営面での感想もありました。

最後にはオンライン上で記念撮影も行いました!

最後にはオンライン上で記念撮影も行いました!

このように、ビジュアルを活用することで、コミュニケーションの課題を解決し、発想を飛躍させ、共創を促進することができます。誰も見たことのない未来の社会へ、新しいものを生み出す活動を推進する手段となるのが、ビジュアルファシリテーションなのです。

 今回のワークショップを担当したEVOKEのサービス詳細

今回のワークショップを担当したEVOKEのサービス詳細はこちらからご覧いただけます。

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CreativeCamp

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複雑で先行きの見えない世界においては、 人本来の持つ創造性を解き放ち、主体性を持ち躍動できる人材が求められます。amana Creative Campでは、 再現性を持ったクリエイティブナレッジを提供することで、個の創造性を高めると共に、企業の競争力を高める文化創りへと導きます。

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