Instagramの運用を始めるときに悩むことの1つは、どのような写真を投稿するか。ユーザーに響くビジュアルってどんなものでしょう? 見る人の心をつかむために必要な要素や好まれる構図、守るべきトーン&マナーなど、投稿内容を考えるときのポイントを紹介します。
企業やブランドのInstagramを成功に導く戦略を、4つのステップに分けて解説。今回は、ステップ1の「コンテンツを作り、投稿数を増やす」についてお伝えします。
ステップ1の段階では、ユーザーに企業イメージやメッセージを理解してもらえるよう、ある程度の量のコンテンツを投稿していきます。ターゲットに響くコンテンツを作るため、押さえるべきポイントは3つ。
1つ目は、ユーザーが憧れと共感を抱くような日々の瞬間を切り取り、ビジュアルに落とし込むこと。効果的な投稿を作るためには、想定したユーザーを惹きつけるビジュアル作りが必須。ユーザーに身近に感じてもらえる雰囲気のビジュアルを作りましょう。
たとえば、ライフスタイルのワンシーンにさりげなく商品を入れ込んだ写真や、心地よい季節感をイメージさせる写真。ユーザーが日々の暮らしの中で共感したり、憧れを抱くような日々の瞬間をつかんだ写真が好まれます。BAKEのバターサンド専門店「PRESS BUTTER SAND」のアカウントでは、春には商品を見せつつも季節を意識した桜の写真が投稿され、その時季ならではやわらかな雰囲気が印象的です。
避けたいのは、いかにも従来の広告ビジュアルにありそうな、しっかりライティングを組み、レタッチでガチガチに作り込んだ写真。Instagramではあまり好まれません。雰囲気を感じられない人物写真や暗めのトーンの写真も、Instagramとは相性がよくないことを覚えておきましょう。
2つ目は、Instagramらしい“俯瞰”で魅せること。Instagramでよく見かける写真といえば、真上から俯瞰で撮影したカット。正方形で見せるInstagramの特性と相性のいい構図で、まさにInstagramらしいビジュアルです。季節感を意識していたり、日々の一瞬を切り取った俯瞰のビジュアルはユーザーから好まれます。
俯瞰写真の人気を裏付けるのが、写真と一緒に投稿されるハッシュタグ。ファッションやコスメ、小物などを俯瞰で撮る「#置き画くら部」は137万ポスト、「平らに並べる」という意味の「#flatlay」は世界で718万ポスト以上投稿されています(2019年10月1日月現在)。
3つ目は、規則的なトーン&マナーを守ること。フォロワーの多いInstagramアカウントであればあるほど、トーン&マナーを確立しています。たとえばCNN BusinessやForbesのようにビジネス情報を発信するアカウントも、トーン&マナーを守って投稿しています。トーン&マナーがユーザーの間で認識されるとフィードで投稿が流れてくると、アカウント名を見なくても「これはあの企業の投稿だな」とわかってもらえるようになります。
Appleはユーザーが撮った写真をピックアップして投稿していますが、撮影のコストは抑えつつ、企業のトーン&マナーに合う写真を選んで投稿することで、自分たちのカラーを演出しています。
コンテンツを作るにあたって、まずブランドの世界観をイメージさせるような色やテイストを決めること。それに基づいたコンテンツを発信し続けることで、毎日Instagramを見る行為の中で、ブランドの印象がユーザーに着実に根付いていきます。
企業やブランドのInstagramの投稿を作るときに悩むのが、写真の見せ方。ユーザーが憧れと共感を抱くような日々の瞬間を切り取り、ビジュアルに落とし込むことが、見る人の心をつかみ、ファンを増やすことにつながります。ユーザーに身近に感じてもらえる雰囲気のビジュアルを作りましょう。
俯瞰写真も、Instagram特有の正方形の画角と相性がよく、好まれる構図です。また、ブランドの世界観をイメージさせるような色やテイストを決め、規則的なトーン&マナーを守ることは、ブランドを印象付ける重要なポイントです。
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テキスト:吉永美代 トップ画像・作図:メルクマール