トヨタ自動車|変化の中で、創造する力を束ねる amana Creative Camp

amana Creative Camp

2025年春、トヨタ自動車VC開発部の皆さんが参加したamana Creative Campが実施されました。「世界に新たな価値創造をもたらすスキルとマインドセットとは」をメインテーマに、「生成AI時代に求められるクリエイティビティの本質とは 『考える』こと、『伝える』こと」と題した午前のセミナーには約100名が参加。ワークショップは2部制で、1部で約40名、2部で約30名の計70名がチームに分かれて意見を出し合いました。

amana Creative Campを実施するに至った背景や、そこで得た経験を今後どのように生かしていくのかについて、トヨタ自動車 VC開発部の小幡聖さん、小澤友皓さん、町頭史子さん、村上裕恵さん に語っていただきました。

amana Creative Camp

大きな組織変化の中で、一枚岩となってアクションを起こすために

――2024年12月に、1回めのamana Creative Campを実施されたそうですが、それはどのような目的だったのでしょうか。

小幡聖さん(以下、小幡):その際の担当は私の前任者でした。アマナさんのビジュアル制作事業については知っていましたが、amana Creative Campという教育事業もしているのかと興味を持ち、実施したそうです。
「これからの時代に求める顧客体験価値とは」というテーマで、我々が従来やってきたものに対して、捨てるべきもの、維持するもの、これから新しく取り組むものという3点において、今の事業のタスクや取り組み、アウトプットを洗い出していき、次のアクションにつなげていこうという目的だったと聞いています。

小幡聖さん小幡聖|Satoshi Obata
トヨタ自動車/VC開発部 クルマ企画開発室 総括・第1プロジェクト推進グループ
2012年入社。C&A事業部(現:VC開発部)に配属されて以来、用品領域一筋。設計職としてキャリアをスタートし、2年間カナダ駐在を経験。帰任後は企画職に役割チェンジし、主にレクサスプロジェクトを通じ新商品企画及び商品企画・開発プロセスの改革に取り組む。現在はグループマネージメントに加え、企画総括としてグローバル各地域営業や戦略子会社との企画連携と共に車種軸戦略立案と推進に従事。

――2025年4月に、2回めとなるamana Creative Campが行われました。今回の実施の目的は何でしょうか。

小幡:目的は2つ。まず1つは、私たち4名が所属するVC開発部で大きな組織変更があったことです。 その組織ファーストで今後の実務をどう遂行していくのかを明確にしておかないとメンバーが路頭に迷いかねないなと考えました。
もう1つは、そうした大きな環境変化の中で組織として強くしていきたいということ。最小単位の組織規模は「グループ」になりますが、そのぐらいの規模感での連帯感や一体感の醸成、アウトプットの最大化を目指すにあたり、どうすれば一枚岩になってやっていけるのかをあらためてマインドセットとして作っていきたいという思いがありました。
さらに、個人の内発的動機を強めたいという気持ちもあり、部署のほぼ半分のメンバーに参加してもらいました。

――amana Creative Campに対して期待していたことは何でしょうか。

小幡:グループとしての指針や、これから何をしていくかというダイレクションを作れるのではないかと考えていました。組織の課題としては、組織効力感が低下気味だと感じていたので、自己効力感と組織効力感双方を上げられるのではないかと期待していた部分があります。

amana Creative Camp実施風景

言語化が自身のキャリア形成につながる

――amana Creative Campに参加した感想をお聞かせください。

村上裕恵さん(以下、村上):楽しかったですね。私は、仕事をするうえで小さなことばかりにこだわっていて、世の中の変化についていけていないと思っていました。amana Creative Campでは、人の発言を否定しないというルールもあって意見を言いやすく、私の価値観を「それでいいんだよ」と背中を押された気持ちになりました。会社ではどうしても状況により意見を言いにくい場合もありますが、ワークショップの内容が業務に直結しているものではなく、もっと世界を広く考えるプログラムで、正解はないテーマでしたし自由に伸び伸びと発言することができました。
それから、言葉を書き出すという作業がとても楽しかったですね。途中で付箋紙がなくなってしまうくらい、たくさんの言葉をアウトプットしました。今はアイデアを手書きするという機会が減ってしまったので、企画や開発の際にそういうアナログな手法も有効だなという気づきがありました。

村上裕恵さん
村上裕恵|Hiroe Murakami
トヨタ自動車/VC開発部 クルマ企画開発室 総括・第1プロジェクト推進グループ
2000年入社。海外・国内の営業企画を従事し、2005年のレクサス国内開業では準備プロジェクトに参画し“ゼロから1を創る”難しさを経験。現在はVC開発部で法人向け用品企画開発のチームリーダーとして、未着手領域の開拓やチーム活動を推進、社内外連携による新価値創出に尽力。

――印象に残ったことはありますか?

村上:私自身は子育てをしながら仕事をしているため、在宅勤務も多いので、同じグループであっても業務で接点がないと深い会話をしたことがない人もいたのですが、ワークショップの際にはその人たちの発言に驚きました。いろいろな知識を持っていて、引き出しが多いのだなと発見がありましたね。

小澤友皓さん(以下、小澤):私も、「楽しかった」というのが第一印象です。普段は頭の中で考えていることを実際に書き出すという作業は、おもしろく感じました。ワークショップでは同じグループのメンバーとチームを組みましたが、日頃からコミュニケーションはしているものの、書き出す作業によって、メンバーが考えていることをあらためて知ることができてよかったです。
思いついた言葉やアイデアを付箋紙に書き出して大きな紙に貼っていくというアナログな手法は、視覚的にも考え方をカテゴライズでき理解が深まるやり方だなと感じました。

小澤友皓さん
小澤友皓|Tomohiro Ozawa
トヨタ自動車/VC開発部 クルマ企画開発室 総括・第1プロジェクト推進グループ
2014年入社。C&A事業部(現:VC開発部)に配属されて以来、用品領域一筋でデザイナーの立場から企画・開発業務に従事。22年発売の小型ミニバンのシエンタでは純正用品全体のデザインを担当し、商品企画の立案から販促活動まで一貫して経験。
現在は一般用品の企画・開発に加え、既存の枠を超えた新価値創出に取り組んでいる。

町頭史子さん(以下、町頭):私は、準備は一緒に進めてまいりましたが、都合により春のamana Creative Campには参加できませんでした。参加者のアンケートや写真、話を聞き、とても充実した会だったと伝わってきました。
私たちは今、生成AIの時代の真っただ中にいます。そんな時代背景の中で開催された今回のamana Creative Campでは、「社会を変える人とはどんな人か?」という壮大なテーマが掲げられました。講演を通じて、AIを取り入れつつも人にしかできないことのヒントを多く得ることができました。漠然とした不安が和らぎ、AIに対する距離がぐっと近くなったように感じます。視座を高く持ち、未来を広く創造しながら、人間の強みをより意識するきっかけとなりました。

町頭史子さん
町頭史子|Fumiko Machigashira
トヨタ自動車/VC開発部 クルマ企画開発室 総括・第1プロジェクト推進グループ
2000年入社。海外の開発拠点に対し後付け用品の企画・開発のサポートを担当。その後、一般消耗部品の海外展開の推進に従事。2021年から100年に1度の大変革期を迎え、部内の働き方改革を担当。働き方について、部員の行動を視える化し分析、環境整備(執務エリアの改修)にも取り組んだ。現在福祉領域における、新商品の企画・開発を担当。

――参加された他の方はどのような様子でしたか? 参加中のエピソードや感想を教えてください。

村上:講義とワークショップに分かれていて、ワークショップは日常業務と離れたテーマについて視野を広げて考えるものでした。普段は業務以外のことをじっくり時間をとって深い会話をする機会が少ないため、この人はこういうポテンシャルを持っている、こんな分野に興味があるんだ、そういう気づきがありました。こういう時間が必要だと思いましたし、今後のマインドにつながっていくように感じました。

amana Creative Camp

amana Creative Camp児玉秀明
セミナーはアマナのクリエイティブエバンジェリスト、児玉秀明が担当。プロフィールはこちら

amanaCreativecamp 杉山諒
研修プログラム全体のプランニング、ワークショップのファシリテーターはアマナの杉山諒が担当。プロフィールはこちら

町頭:月に1度開催される組合の職場懇談会で、入社して約10年めの方がamana Creative Campについて話題に上げてくれました。後輩から「自分の強みがわからない」「自分らしさ」がわからないことにより、自分だけが周りから取り残されているのではないかと相談されることがあったが、具体的な答えが自分もわからず一緒に悩んでいました。そんな中で「言語化するワーク」を通して、自分の考え・他の人の考え・知識、価値観を知ることで、新たな一面を知ることができ、他の人の視点や視野を知ることでキャリアを考える良いきっかけになったので、今回参加できなかった方々にも次回はぜひ参加してほしいという意見をいただきました。
自分を知ることはキャリア形成において大切なプロセスになります。信頼できる仲間と、言葉を意識したコミュニケーションを重ねることで新たな価値や可能性が生まれる。そんな気づきのきっかけの場になったと感じます。

amana Creative Camp ワークショップ風景

次なるステップへのアプローチとして

――amana Creative Camp全体に対する評価を教えてください。

小幡:弊社内の研修にはいろいろありますが、アマナさんの教育内容は自社になく、また他社とは少し違う視点があります。「社会を変える人はどんな人か」について考えアウトプットするという、通常業務をするうえでは経験できないことを得ることができて、その点についてはよかったと思います。ワークショップでは自分が思っていることを素直に出すことができて、自己開示的な場としても機能しました。
内容はよかったと感じており、そのうえでグループとしての方針・ダイレクションを作る段階まで進めるとより実践的だと思いました。ワークショップで社会に対してどうするかという大きいテーマを話し合った流れで、自分の組織やグループに対して言語化したらどうなるか、までがあるとなお充実したものになったのではないかと。
それから、より幅広いメンバーに刺さるよう難しい言葉を避けていただいたからか、わかりやすくなった一方で内容が一般化した印象もあります。今度は「これを自分の業務に当てはめるとどうなるか」という、より具体的なケースに発展させたいとも感じました。

村上:私は今、新バリュー創造室というところに所属し、新しい価値や新しい切り口での商品企画開発しています。その業務に生かせるように、新価値を創造するマインドや思考を鍛えるセミナーが今後あるとうれしいですね。

amana Creative Camp

小澤:アウトプットに関しては、最終的にはグループの方向性や指針まで落とし込めるといいなと思っていました。「社会を変える」という切り口で話し合うことで、結果的には各々の強みや弱みからグループの方針にまで繋げられられたのは良かったです。
一方でワークショップが終わった時点でグループのあるべき姿の着地点が見い出せたかというと、その手前のより良くしていくための課題が見えた段階だったかなと思います。ですので、「組織に対する課題解決のための具体的なアプローチや手法を提供いただけるか」が次回以降のamana Creative Campに対する期待値です。私たちも組織の目指す方向に対してはワークショップ等を通して引き続き取り組んでいきたいと考えています。

町頭:よかったのは、言語化することができたこと。コミュニケーションや対話がすごく活発に行われました。私たちが通常の業務で足りていないのは、まさに自分の考えや思いを言語化して、頭の中でイメージしているものを正確に伝えるかということと、自分を客観的に知ること。それらを解決しながら、新たな一面を引き出せるように引き続き努力していきたいと思います。

amana Creative Camp 参加者集合写真

<スタッフクレジット>(クライアント以外すべてアマナ)
クライアント:トヨタ自動車株式会社
全体プランニング・ファシリテーター:杉山諒
講師:クリエイティブエバンジェリスト児玉秀明
プロデューサー:兼子丈太、出山敬久、山口航平
撮影:INFOTO

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取材・文:大橋智子

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